ワタシは高校1年生だった1981年に、電話級アマチュア無線技士の免許を取ったが、以来無線局を開局したことはなく、ペーパーハムであった。そこで、今年の7月に無線を愛好する法律家協会10周年記念総会に出席し、第二級アマチュア無線技士の免許を取って無線局を開局します宣言を高らかに言い放った。
そこで、今年の8月以降、JARDという団体が主催する養成課程講習会を立て続けに受講し、ついに今年の11月14日付で、第二級アマチュア無線技士の資格の免許を得た。
第二級アマチュア無線技士の免許を取ると、空中線電力200ワットを使えるほか、アマチュア無線に認められた全ての周波数を使用することができる。特に海外交信(DX)のメインストリートとでもいうべき14MHzにオンエアーできるのは大きい。小学生の頃から持っていた14MHzでDXをやりたいという宿願を、半世紀たって実現できる。感無量。
そこで、11月20日に免許証が届いて以来、無線機(リグ)を何にしようかな〜と悩んでいた。ワタシはPOTA(Parks On The Air)という、公園での野外運用をやりたいと思っていた。自転車でブラブラすることを「ポタリング」というので、アマチュア無線のポタと自転車のポタを組み合わせて「ポタでポタ」という、オヤジ・ギャグみたいな試みを考えていた。
そこで候補になるのが、八重洲無線から出ているFT-897と、アイコムから出ているIC705である。いずれもコンパクトにまとまった無線機であり、自転車での携帯性はほぼ互角である。
FT-897は、移動局の最大電力である50Wを使える点が魅力。ただワタシがやろうとしているFT8という通信形式での運用のために独自のケーブルを自作又は入手しなければならないという若干の問題がある。また、バンドスコープがついていなくて、バンド内の様子が一覧できない。また、144MHz帯と430MHz帯での運用ができない。
そこ行くと、IC705は、出力が10Wである点を除き、明らかにFT-891を凌駕している。バンドスコープがついていてバンド内での様子が見やすいし、HF帯の全ての周波数帯と、50MHz、144MHz、430MHzと、アマチュア無線で通常使用するほぼすべての周波数帯をカバーしている。さらに、特段の措置を講じることなくワタシがやろうとしているFT8という通信形式での運用ができる。
IC705の問題は出力10Wという点であるが、ワタシがやろうとしているFT8という通信形式は、SSBやCWに比して微弱な電波を拾うことができる点に特徴があり、10Wというローパワーで発射した電波でも拾ってくれる可能性が高いことから、10Wでもまぁいいや〜と思った。また、インターネットの記事でも、IC705で存分にPOTAを楽しまれている方々が多く、CQ誌のFT8の特集でも、FT8のPOTAはIC705一択という力強い推薦があった。
そんなわけで相当の逡巡の上、「よしっ!!まずはIC705にしよう。その上でハイパワーが欲しくなったらその時はその時でFT891を考えよう」と決意した。
もう迷わない。12月13日17時に中大での授業を終えてas soon as で秋葉原の富士無線電機に向かった。富士無線電機は18時半くらいには店を閉めてしまうので、もし中大が多摩にあったら17時に授業を終えても富士無線電機の閉店にはほぼ間に合わないのだが、中大法学部が茗荷谷に移転したおかげで、授業を終えてからだいたい30分前後で富士無線電機に着く。
富士無線電機の店内をブラブラするとIC705が鎮座している。サイズは20cm×8.35cm×8.2cmと実にコンパクト。片手でわしづかみできる程度の大きさ。このサイズで1.8MHz〜430MHzと、通常アマチュア無線に運用される全ての周波数帯をカバーしている。かつてワタシがアマチュア無線に関心をもった半世紀前ではとても信じられない技術の進歩である。その当時の、例えばトリオのTS820とかTS520みたいな、威風堂々としたリグは実にカッコよくていかにも「無線!!」という感じだが、最新技術の粋を凝らして極限まで高性能をコンパクトにしたIC705も実に素晴らしい。
そこで店員さんに「すいませんIC705くださいっ!!」と、食堂で刺身定食を注文するような感じで申し向けると、店員さんがほいほいという感じで在庫を取り出してくれる。だいたい25cm前後の立方体の小さいハコに入っている。そこで店員さんが中身の説明を若干してくれる。
ちょうど本屋で多めの本を買うくらいの感じの大きさなので、紙の手提げ袋に入れていける。重さは2kg弱くらいなので米なんかよりもずっと軽い。大した荷物ではない。昔の無線機だとハコがデカくて重くてとても簡単に持っていけるような感じではなかったので隔世の感を覚える。
アンテナなどリグ周りの製品はおいおいそろえるとして、とりあえずリグはそろえたので、これでアマチュア無線局の免許状を申請して開局することができる。小学6年生の頃にアマチュア無線にあこがれを持ち、国家試験の勉強をしたころから半世紀。半世紀来の宿願が今ここにかなうことになり実にうれしい。還暦まで生きていると色々いいことがあるものだ。人生万歳。
2025年12月21日
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