2008年02月11日

忌野清志郎完全復活祭@日本武道館

(この記事もともと「ゴイス音楽日記」の記事ですが、「自転車名人」でもあられるキヨシローさんに敬意を表し、主として自転車ブログである「ゴイス日記」にも同じ記事を載せました。) 
 
 さて2月10日は忌野清志郎完全復活祭の日である。忌野清志郎(以下「キヨシローさん」)は自転車愛好家として有名で、毎年夏に群馬県渋川市から自転車で法師温泉までツーリングし、そこで一泊してからフジロックに出演していた。第1回自転車名人に選出されたことは関係者の間では有名である。そして、2005年100万円を超える愛車「オレンジ号」を新大久保で盗まれたことは関係者でない人の間でも有名である。 2006年7月11日に喉頭がんであることを公表し、闘病生活に入っていた。がん治療のため髪の毛は抜けて頭はツルツルになるなどその闘病は熾烈を極めたが、その後チョボチョボと単発で他ミュージシャンのセッションに参加し、そしてこの日の完全復活祭に至ったわけである。

 私の勤める役所の互助会のような組織が各種イベントのチケットの先行予約をやっていて、今回のキヨシローさんの完全復活祭も取り扱っていた。がんから復活した自転車乗りというと真っ先に思いつくのがランス・アームストロングであるが、キヨシローもこの系譜に続いたことになる。自転車乗りの末席を汚す私、そしてキヨシローさんの音楽に敬意を表する私としては、完全復活祭には是が非でも出たいものである。同じく自転車乗りであり、そしてRCサクセションの”Rhapsody”(Naked)を聴かせまくって洗脳した私の子供も連れて行こうと思い子供を誘うと関心を示す。そこで2007年12月ころ子供と私の分を先行予約してチケットを取ったのである。
 2月10日というと、子供の中学入試の結果が既に発表されていて、子供の行く末が決まっている頃である。子供が当選していれば、中学受験合格お祝いライブ、子供が落選していれば、「中学受験だけが人生じゃないよ、人生まだまだ長い」子供励ましライブである。幸いにして子供は入学を希望していた学校のひとつに合格し、中学受験合格お祝いライブとなった。ちなみにキヨシローさんを生で見るのは今回が初めてである。

 この日東西線に乗って九段下駅を出ると、キヨシロー完全復活祭に行く人が続々と武道館へ向っている。午後5時過ぎ位に日本武道館に到着し、武道館の門を抜けると延々と人が並んでいるが、それとは別に武道館の入り口のほうに向かう人がいる。
 武道館入り口付近にたどり着くが、入り口に向かうための列の場所がよく分からない。ひょっとしたら武道館の門のところにあった行列がそれかと思ってそこに引き返して並ぶと、後ろの方から「完全復活祭グッズをお買い求めの方は、こちらに並ぶと開演に間に合わない場合がございます」と係員がメガホンでがなりたてている。どうもここは完全復活祭グッズの販売の列のようだ。あわてて再び入り口のほうに向かうと「完全復活祭にご来場の皆様は、時計台付近の列にお並びください」とのアナウンスがある。
 やれやれと思ってそちらの列に並ぶと列はするすると動き、待つまもなく完全復活祭入口に入る。入り口でチケットをモギってもらったあと、粗品をいただく。快気祝いの手ぬぐいだ。「快気祝」ではなく、「快気祝い」と「祝」に送り仮名をつけているのが何かかわいい。

 午後5時20分ころ座席に着く。指定の座席はスタンド1階席北東J3番と4番。北東1階席の一番てっぺんの方の席である。アリーナや舞台を俯瞰するような形で見ることが出来る。午後6時の開演に向けて徐々に人が埋まってきて、午後6時頃には会場は満杯になる。武道館のようなでかい会場でライブを聴くのは、1998年3月に東京ドームで行われたローリングストーンズのライブを聴いてから実に10年ぶりである。

 午後6時の開演のはずが大分じらされ、午後6時15分頃になって「大変長らくお待たせいたしました」のアナウンス。あとは観衆の大歓声と手拍子。そして会場が真っ暗になりキヨシローさんのスライドショーが会場内のモニターに映し出される。それと平行して舞台にメンバーが徐々にそろいそのたびに大歓声が沸く。そしてマントを羽織ってキヨシローさん登場!!その瞬間観客総立ち!!拍手、手拍子!!歓声!! 私も復活した生のキヨシローさんを見て大興奮!! 以後完全復活したキヨシローさんの圧倒的なパフォーマンスを前にして怒涛のような感動に押し流されっぱなし。

忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS plus 仲井戸“CHABO”麗市
メンバー:忌野清志郎(vo)/三宅伸治(g)/中村きたろう(b)/厚見玲衣(key)/宮川剛(ds)/梅津和時(a.sax)/片山広明(t.sax)/渡辺隆雄(tp) /仲井戸“CHABO”麗市(g)/新井田耕造(ds)

1 JUMP
2 涙のプリンセス
3 誇り高く生きよう
4 ダンスミュージック☆あいつ
5 NIGHT AND DAY
6 デイドリームビリーバー

 後で調べるとここまではアルバム「夢助」からの曲が多い。私はRCサクセションの「ラプソディ」や、「Covers」を聴いたに過ぎず、キヨシローさんの作品をそれほど多く聴いたわけではない。そのため、ここまでの曲はほとんど初めて聴く曲である。しかしそんなことはどうでもいい。一見怪鳥のように聴こえるが実は味わい深い独特のボーカル、そしてバラード演奏での深みのある解釈はキヨシローさんが半端ではないヴォーカリストであることを示している。
 
 そしてブラス陣がはじける。特に梅津和時が舞台狭しと踊りまくる。「ラプソディ」のときは髪の毛とヒゲを生やし、ドクトル梅津と称して「生向委」を率いていたが、今や怪しげな丸坊主をテラテラと光らせながらド迫力のサックスを咆哮しまくる(ただしこの日は帽子をかぶっていて丸坊主をもろ出しにしていなかった)。

7 いい事ばかりはありゃしない
8 君が僕を知ってる
9 チャンスは今夜
10 僕の好きな先生
11 私立探偵
12 多摩蘭坂
13 毎日がブランニューデイ

 この当たりからチャボさんが加わる。キヨシローさんとチャボさんのコラボレーションはさすがプロという感じ。曲の合間合間に時折キヨシローさんは水分補給して休憩。この当たりサイクリストが時折ボトルの水を飲みながら走るさまを髣髴とさせる、と思うのは手前味噌か。この当たりから私の知っている曲もチョボチョボ出てくる。しかしキヨシローさんの圧倒的に感動的なパフォーマンスの前に私が知っている曲かどうかなんてことは些細なことである。「僕の好きな先生」「多摩蘭坂」「毎日がブランニューデイ」いぃねぇ〜。五臓六腑に染み渡る。

14 コーヒーサイフォン

 13曲目まで歌ったところで既にキヨシローさん着ていたものをあらかた脱いでシャツ一丁になっており、ここらでキヨシローさんお色直し。その間チャボさんのMCと歌。

15 GOD
16 スローバラード
17 激しい雨
18 ドカドカうるさいロックンロールバンド
19 キモチE
20 BABY何もかも

 キヨシローさんお色直し後復帰。「スローバラード」でキヨシローさんの感情注入されたバラードのパフォーマンスが頂点に達しリリシズム横溢、感極まって涙、涙、涙!!

 曲と曲の合間にキヨシローさん、この世の中では悲惨な戦争が繰り広げられている、と、マジモード。うんうんそうだ。そういえばこの人のサイスポ宛の年賀状には「戦争はやめろ」と書いてあったなぁ。それに、サイクルショップマツナガの店長が書いた本の巻頭言として「戦争で俺が自転車で走る道を壊さねぇでくれ」というようなことを書いた詩をキヨシローさんが寄せていたことを思い出した。するとキヨシローさん、「そこで会場の皆さんに今日は聞いてみたい!!」と問いかける。KYな私は「何だろう」といぶかしく思っていたが、会場の人は「待ってました」という雰囲気。するとキヨシローさん、やおら

「みんな〜、愛しあってるかい???!!!」

 そうか、それかよ!! そういうことか。KYな私はようやく事情が飲み込めた。会場いっせいに「YEAHHHHHH〜ッ!!!!」これがライブというもんだ!!!後は激しいビートの波状攻撃とキヨシローさんの怪鳥ヴォーカルが爆裂、炸裂、破裂!!! キモちEでの大盛り上がりへと向かう。

 そして「最後の曲」と称した「BABY何もかも」で、最初キヨシローさん、例によってリリシズムの頂点を極めたバラードを歌い、そして感極まったところで、一転して強力なビート&アップテンポ・モードに突入、怒濤のような大団円へと向かう。
 キヨシローさん、この場で再び歌えることに感謝してか、感極まって何度もステージにひざまずいて巨人の桑田のようなポーズを取る。そのたびにマネージャーのような人がマントをキヨシローさんの背中にかけ、そのたびに復活して舞台狭しと駆け巡る。そして長い長い盛り上がりのあと、キヨシローさんのマイク振り回し&キャッチで一旦はこの曲は終わって、建前としては完全復活祭は終わり、ということになる。

 しかしながら、当然のことであるが、ライブの常識としてこれは終わりではない。アンコールを求める手拍子が自然発生的に起こり、そして続く。

(アンコール)
1 よォーこそ
2 ROCK ME BABY
3 雨上がりの夜空に

 5分くらいじらされたあとメンバー再び終結。キヨシローさん登場のあと、どこかで聴いたようなイントロ。「よォーこそ」である。私が愛する「ラプソディ」(ネイキッド)の劈頭を飾るメンバー紹介の歌である。この歌に込められたファンに対する敬意に感動してキヨシローさんのファンになった私は、この歌を生でキヨシローさんが歌うのに接して感動しっぱなしであった。「リンコ・ワッショー」、「小川銀次」や「キーボード・ロボットG2」はいなかったが、「仲井戸ぉ〜麗ぃ市ぃ〜〜!! チャボ!!」「ヘィ・ドラマー 新井田耕造!!」のくだりが「ラプソディ」(ネイキッド)と同じく歌われており感動した。

 その後ROCK ME BABYを経て、ついに「雨上がりの夜空に」に突入する。これは普段ロックなんて聴かない私の家内さえ知っている超有名曲である。こういう曲のイントロに入ると会場は騒然として盛り上がる。「どうしたんだ Hey Hey Baby」「バッテリーはビンビンだぜ」「こんな夜に 発車できないなんて」「こんな夜に お前に乗れないなんて」

 興奮して一体となるアリーナ席の観客のさまが実にすばらしい。こういうスペクタクルを目の当たりに出来るのが大会場でのライブの面白さ。普段冷静な私も触発されて「こんな夜に お前に乗れないなんて〜」とこぶしを振り上げて歌っちまったぜ。う〜ん、いつになってもいいものはいいねぇ。いやぁ〜時間と金をかけてキヨシローさんのライブに来て本当によかった。

E04 LIKE A DREAM

 「雨上がりの夜空に」で、観客一同大興奮したあと、フッとキヨシローさん、「もう一曲やっちゃおうかな」とつぶやき、ギター一本とハーモニカでバラードを歌う。今まで騒然となっていた観客も、キヨシローのギター一本とハーモニカのバラードの前で、針が一本落ちても響くような静寂をかもしだして聴き入っている。大観衆ではあるが、本当にいい観客だと思う。そこら辺のジャリタレの追っかけと異なり、キヨシローのライブに来るような聴衆になると、ある程度落ち着いた大人の年代の人(少なくとも30代以上)が多いのでこうなるのだろう(そういえば、観客には子供連れも結構いたな。)。

 ギター一本とハーモニカの演奏が終わり、今度こそ本当にキヨシローさんの完全復活祭は終わりだ。すると、キヨシローさんの子供が二人、キヨシローさんに花束を持ってくる。これはサプライズなんだろうか。キヨシローさん声を詰まらせて何かしゃべっていたようだが、言葉になっていなかった。キヨシローさん子供とともに会場の声援に応え、そして背中を丸めて舞台を去っていった。実にいいライブだった。キヨシローさんありがとう。これからも人間同士の愛を説くラブソングをどしどし歌って欲しい。そして自転車にも乗り続けて欲しい。

 ちなみに私の子供、ライブの中盤位までは立ってノリノリで手拍子していたが、その後いすに座って足をばたばたさせてノッていた。ロックのライブは聴くほうも体力が要求されるので、さすがに小学生の子供には荷が重かったかと思ったが、後で聞いてみると「おなかが空いていた」とのことであった。ライブに行く前にサンドイッチでも買っていくかと子供に申し向けたところ、要らないといったので、ご飯不要と理解していたため少々意外であった。
 よくよく話を聞くと、このライブは1時間くらいで終わるものかと思っていたのでサンドイッチなどの準備は不要と考えていた。しかし会場についてから私に「このライブは何時頃までやるのか」と聞いたところ「午後9時頃までやるよ」といわれたのであせったとのことであった。

 子供も私もおなかが空いていたので、キヨシローさんのライブが終わった後、武道館近辺で食事ができるところを探すが、休日ということもあって意外と営業しているところが少ない。とりあえずサブウェイのサンドイッチでも食べることとし、ローストビーフサンドLサイズを私と子供で注文する。
 子供もLサイズ(結構でかい)を注文したので、サブウェイのお姉さん何度も何度もLサイズでよいか確認していたが、私は「Lサイズでいいのっ!!」と念を押す。私の子供は身長144センチくらいしかなくて小学校6年生にしては小柄なのだが、食欲は人一倍である。
 私と子供がサブウェイで食事していると、徐々にサブウェイに人が入ってきて混みあってくる。おそらく完全復活祭に出ていた人たちであろう。やはりロックのライブは聴くほうも体力を消耗するので、おなかが空いた人たちが食事するところが少ないので、数少ないサブウェイに続々と詰め掛けてくるのだろう。

 帰り道、「キヨシローのライブ面白かったか」と子供に聞くと、「面白かった」と子供が返す。それはよかった。これからも、子供の多感な時期のうちに、私の趣味の範囲内で、文化的なイベントに子供を連れて行き、子供をいっぱしの文化人に仕立て上げる所存である。

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2007年12月18日

最近の猟盤

【12月16日】

 この日、そろそろタモリのCDが再発だなぁと思い、CD屋に様子を見に行くことにする。10月ころだったか、タモリのCDが12月に再発されるとの報が入り、タモリのCDの再発を首を長くして待っていた。

 タモリの作品は、「タモリ」「タモリ2」「How About This」の3作がCDになっている。とりわけ、「タモリ」「タモリ2」は、かつてタモリが「イグアナ」とか「中洲産業大学教授」とか「4ヶ国語マージャン」など、結構斬新な芸を披露するピン芸人として一世を風靡した時のネタを展開しており、実に興味深い作品である。しかしながら、十数年前にCD化されて以来ずっと廃盤であり、ヤフオクでは幻盤として万単位の高値で取引されていたものである。今回このような作品がCD化されるため、初期タモリの前衛的な芸風を廉価で堪能できるようになった。まことに喜ばしいことである。

 今回は上記「タモリ」「タモリ2」にくわえて、「ラジカル・ヒステリー・ツアー」が初めてCD化される。これはネタを披露するアルバムではなく、The Square(当時)やThe Playerをバックにタモリが歌唱を披露するというアルバムである。

 ちなみに、「タモリ」「タモリ2」のあと、「タモリ3」というアルバムがあって、これは前2作よりも更に過激なネタをやっているらしく、そのため著作権だ何だとすったもんだした挙句、新星堂チェーンから発売されたが、1ヶ月で3万枚売ったところで結局新星堂がギブアップして廃盤になってしまったということである(この当たりは宮住俊介氏のブログに詳しい)。こちらも併せて復刻して欲しいものだがそれは無理だろうか。

 そういうわけでこの日はまず秋葉原に出向く。タワーレコードを見るが、最近石丸soft3の希少CDの品揃えも侮れないので、石丸soft3にも出向こうと思う。

 タワーレコードの目標はタモリだけで、特に他のCDには関心はない。そこで店内を一瞥すると、どうもタモリのCDが売っている様子が全くない。店内のインフォメーションボードにもタモリのCDの宣伝が全くない。どういうわけだろう。タモリのCDを売ることなど全く考えずにジャリンコのへたくそな歌のCDを売ることばかりを考えているのだろうか。タモリがない以上この日はタワーレコードにいる意味はないので、とっとと引き上げる。

 タワーレコードを出て次は石丸soft2に出向く。ここは昔CDの他総合家電の店舗だったが、最近の石丸電気の店舗整理のため、7階建て位の巨大なビル全部がCDやDVDの店になってしまった。そのため、各フロアは、がらんとして妙にだだっ広い感じ。平日にここに行くとだだっ広いフロアに誰も客がいなくて何となく寂寥感がある。1階が邦楽の売り場になっているのでぶらぶらタモリを探していると、ちゃんとタモリのCDのポスターが貼ってある。そこにはタモリのCDは12月19日に発売される旨書いてある。ああタモリはこの日ではなかったと思いsoft2を出る。

 タモリがなかったのでこの日購買意欲を殺がれ、よせばいいのに念のためsoft3に入る。ここの6階輸入ジャズCD売り場では、どういうルートを使うのかいわゆる「レア本」に掲載されている希少CDが売っている。その値段がすさまじく、3000円台とか4000円台というのはまだかわいいほうで、中には1万円台のCDもちらほらとある。いくら希少盤とはいえ、CDに1万円以上出すつもりはない。あと適当にブラブラと店内を見るが、特に気を惹く作品は見当たらない。そのためそそくさと店を出る。

 タモリがないので落胆し、こりゃうちで寝てればよかったと思う。完全に購買意欲をそがれ、日が西に傾いたので、もう帰宅しようかと思った。しかしお茶の水が近いのでよせばいいのにディスクユニオンお茶の水ジャズ館に行こうと思い総武線に乗ることにする。それにしても猟盤のモチベーションをなくしているのに、わざわざ臭いジャズ・オヤジの巣窟に出向くとは全く業が深い。

 ディスクユニオンお茶の水ジャズ館2階中古CD売り場に行くと、以外にも若者が結構多い。行儀が悪くて臭いジャズ・オヤジにまみれて中古盤を漁ることを想定していた私は何となく救われたような気持ちになった。それでも無論情熱的なジャズ・オヤジもいて、中古売り場には適当に熱気があった。

 新入荷の棚をブラブラと見たが特に興味深い品はないので他の棚を見る。すると、国内盤の廃盤CDと思しきCDがズラリと並んでいる。どうもこの日お茶の水ジャズ館の国内廃盤CDセールのようだ。石丸電気など他の店では2,345円で売っているVito Price “Swinging the Loop”が、相変わらず廃盤CDとして5,000円を超える値段で売られている。それでもかつての「レア本」出版を契機とした廃盤CDバブルは落ち着きをみせている。例えばかつて5,000円以上した”Zoot Sims in Paris”は、現在3000円台になっている。もう一声という感じではあるが、何となくバブルの崩壊振りがよくわかる。

 廃盤CDの棚をブラブラと見ると、一枚光るCDが。J.F.K ”Thunder and Rainbows”である。3990円という値段に若干躊躇したが、逆にこのレア盤にこの値段でお目にかかることもそうそうありえないだろうと思い、廃盤は見つけたときが買いどきという金言に従って0.00000001秒後には手中に収めることにする。中々いいものを取得したわいと思いおなかいっぱいになる。念のためブラブラと店内を見るが、特に金を払って欲しいものは見当たらなかった。結局この作品を入手する。一応3階の新品CDフロアも見るが、特に興味深い作品はなかった。結局J.F.K.の作品を購入してお茶の水を後にし家路を急ぐことにする。

【12月17日】

 タモリの旧作の再発が12月19日であることがわかったが、大抵の場合でかいCD屋だと、その一日前に販売を始めることが多い。ひょっとしたら17日の夜にはタモリの旧作を置いていないかと思い、この日数寄屋橋及び銀座のHMVに出向く。しかし、タモリの旧作はまだ双方の店には置いていない。そもそも双方の店はタモリの旧作の設置はおろか、タモリの旧作の再発の旨の公示すらしていない。HMVは日本でCDが売れないので、日本からの撤退も検討しているようだが、タモリの旧作の公示もしないようでは、「HMV逝ってよし」と思う。

 しかしせっかく銀座に来たので、あきらめの悪い私は性懲りもなく山野楽器へと向かう。ここならひょっとしたらと思って山野楽器に入るが、果たしてタモリは置いていない。これでは仕方がない。せっかく来たからジャズCDを見て帰るかと思い、3階のジャズCD売り場に行く。寺島靖国撰のJazz Bar 2007がBGMにかかっていて、いい雰囲気である。そこでブラブラと店を見る。

 女性ヴォーカルの棚を見ると、私がちょっと気にかけているEmilie-Clair BarlowのCDが売っている。この人、ドスの聞いた黒人ジャズヴォーカルとは対極にある、かわいい系統のヴォーカルの人である。ドス系のヴォーカルももちろん好きだが、私はBlossom Dearieのようなかわいい系統のヴォーカルを特に好む。そういうわけで、Emilie-Claire BarlowのCDはいつか買おうと思っていた。

 その人のCDを見ていくと、この人の”Happy Feet”という作品を見かける。Rhythm Tracksというレーベルからは、この作品のほか2作品が出ているが、この”Happy Feet”という作品は、どういうわけか実際に見かけたのは初めてである。関心のあるミュージシャンの作品であるのもかかわらず、あまり見かけないCDを買い損ねて入手困難になってはたまらないので、これは買うことにする。

 後適当にブラブラと店を眺めているうちに閉店の時間となった。ここは午後8時が閉店時間。ちょっと閉店が早い。店内に流れる蛍の光に追い立てられるように店を出て、そろそろクリスマス色のついてきた銀座を後にする。

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2007年11月24日

久々の石丸電気

11月23日久々に秋葉原に出かける。秋葉原に行きつけの床屋さんがあるからである。この床屋さん、吉田自転車の顧客であり、主として通勤ライドの他ダウンヒルを楽しまれている。そのためこの床屋さんに行くと自転車の話ができて楽しい。この日も私が先日行ったサイクルモード2007の話をしながら毛を刈ってもらう。私の場合じっとして毛を刈ってもらうのが好きではないので、趣味の自転車の話をしながら毛を刈ってもらうためどうしてもこちらの床屋さんでお世話になることが多いのである。

 床屋さんで毛を刈ってもらってさっぱりしたあと久々に秋葉原をブラブラしてみようかと思う。私の場合、街ブラブラというと、どうしてもCD屋見物ということになる。このところ秋葉原CD屋見物というとヨドバシアキバに出来たタワーレコードであった。しかしタワーレコードにはもう何回も訪れているので、この日は久々に石丸電気に行ってみることにする。

 今から21年前大学生だったころジャズを聴き始めた。その当時、ジャズCDを買うときはどういうわけか決まって石丸電気レコード館であった。その当時は今のようにジャズCDの多くがCD化されているというわけではなく、名盤と呼ばれていたジャズ作品が徐々にCD化されていた時代であった。そのため、スイングジャーナルで初CD化された作品を毎月チェックしては少ない小遣いをはたいていそいそとCDを石丸電気に買いに行ったものであった。私の通っていた大学は八王子にあり、かつ学生当時一応司法試験の勉強に励んでいたため、そう何度も石丸電気に行く機会があるわけではない。そういうわけで、たまに石丸電気に向かい、そしてCDをためつすがめつする時間は本当に楽しかった。昭和天皇の大喪の礼からもう20年経とうとしているが、その大喪の礼の日にBill Evansの”Paris Concert Edition I”と、”同 Edition II”が発売になったため、そぼ降る雨の中自粛営業を行う石丸電気にこれを買いに行ったのを今でも覚えている。

 しかし、このところなぜかディスクユニオンでジャズCDを買うことが多い。新品CDよりも中古CD漁りの方が魅力的だからであろう。そうなると秋葉原からは足が遠のき、石丸電気にはほとんど行かなくなる。しかしながら、それは石丸電気が決してCD屋として魅力的でないことを意味するものではなく、むしろ新品CDに関しては全般的に見てディスクユニオンをしのぐ品揃えがある(ディスクユニオンは中古CDについては実に充実しているが、店舗スペースの関係があって、新品CDの品揃えについては、輸入新譜・再発新入荷のものは優れているが、他はさほどでもない。)。そういうわけで、この際だからちょっと石丸電気レコード館を見ていこうかと思う。

 万世橋交差点の少し昌平橋寄りのところに石丸電気レコード館がある、否、あったという方が適切だろう。石丸電気レコード館は、石丸電気SOFT3と名前を変えてジャズ・クラシック専門の店と化していた。私の知る石丸電気レコード館ジャズ売り場は2階にあったのだが、今は国内盤が5階、輸入盤が6階にある。

 まずは輸入盤売り場に行く。というのも、実は私は石丸電気の輸入廃盤CDの品揃えについて密かな期待をしていたからである。というのも、山帽子氏の主宰する「廃盤ジャズCD倶楽部」というブログに、石丸電気でJudy Baileyの”Sundial”を5000円で入手したという趣旨のコメントがあったからである。この”Sundial”という作品は、超入手困難な作品らしく、ヤフオクでの落札価格は常時1万5千円を超え、3万5千円を超える落札価格がついたこともあるという。石丸電気はそのような作品、しかも新品を5000円で入手できる店だというのであるから、これはひょっとしたら何かすごい出会いがあるかもしれないと期待を抱くのである。

 輸入盤売り場に行くと、寺島靖国氏の「JAZZ PIANO 名盤500」に記述されているCDを陳列した棚がある。これをひょろひょろと覗いていると、Nahorny trioの「牛ジャケ」がある。これは最近ほとんどCD屋で目にしないので、これをまずキープする。続いてJessica Williams ”higher standard”が目に付いた。これも最近あまりCD屋で見かけないので、これも一応キープしておく。

 寺島コーナーの横には、「新入荷」のコーナーがある。「新入荷」とは、ディスクユニオンの中古ジャズCD売り場のようだ。そこにはどうも入荷困難な輸入CDを置くための棚のようであり、かつそこに並ぶCDは他のCDと比して値段が張る旨の説明が書いてある。どうもここが希少CDを置いてある棚だと思うと気持ちがはやる。
 果たして棚を眺めてみると、早速Antoine Hervier “my queen of heart”などという、ディスクユニオンで中古で7000円を超える値段で売っているCDが、その3分の2以下の値段で新品で売っている。そのCDには「入手困難、廃盤・生産中止」の表示がしてある。まずはこのCDを目の当たりにした0.00000001秒後にこれをキープする。
 また、いわゆるG-Collection シリーズとして出されたBob Florence Trio “Meet the Bob Florence”が、新品で売られている。これには「廃盤/入手困難 海外よりの逆輸入盤です」という表示がついている。
 このG-Collectionシリーズは、今から1988年からセンチュリーレコードが販売したジャズCDシリーズであり、このシリーズにおいては、およそCDでは日の目を見ることはないであろう 相当マニアックなジャズCDが復刻されている。その後復刻CD企画は数々あれど、このG-Collectionシリーズをしのぐマニアックな復刻企画はとんとお目にかからない。ほとんど担当者の趣味で選んだとしか思えない。よくもまぁこういう企画が社内で通ったものである。
 このシリーズのCDはあっという間に市場から姿を消して廃盤CDの代表的なものとなったため、廃盤ジャズCDセールの主役となった。Bob Florenceの作品もそのひとつである。
 20年近く前に発売され、あっという間に廃盤となった作品が、中古ではなく、新品、しかも海外逆輸入盤として販売されている。いったいどういう入手経路をたどったのだろうか。何とも不思議である。長年の間廃盤CDを求めて日々目を皿のようにして中古CD屋を回っているため、G-CollectionシリーズのCDは結構持っているのだが、この作品を目の当たりにするのははじめてである。そういうわけでこのCDを目の当たりにした0.00000001秒後にこれをキープする。

 とりあえずこれらの作品を購入候補としてキープした後、他の棚をブラブラと回る。他の棚は通常のCD屋と同様、楽器別にまず分かれていて、そのあとミュージシャンの名前(ファーストネーム)のアイウエオ順に並べてある。そちらの棚には特に希少盤とか今すぐ欲しい盤はなかった。また、そちらの棚にもJessica Williamsの”higher standard”が並んでいたので、この作品の購入は急を要しないと思い、この作品を棚に戻す。

 再び新入荷の棚に戻ると、先に述べたJudy Baileyの新作が陳列してある。Judy Baileyを知ったのはディスクユニオンお茶の水ジャズ館のLP売り場であった。そこでCBSから出ているJudy Baileyの作品(8万円。おそらくオリジナル盤)のジャケットを見てこの人の作品をちょっと聞きたくなったのである。この人のCBS時代の作品のCD化が待たれるところである。
 その新作は4000円以上したので、これはちょっとパスだなぁと思いつつ、店員さんの書いたとおぼしきその作品の紹介文を読んでみると、この作品の入荷と同時にJudy Baileyの旧作2作も入荷したと書いてあるので、これはひょっとして”Sundial”もあるかと思い、再び「新入荷」の棚を見てみる。そうすると、あるわあるわ、”Sundial”とともに、”Notwithstanding”も見つけることが出来た。最初この棚を見たときは発見することができなかった。何らかの問題意識を持たずにボーっと棚を見ていると、こういう見落としをするものである。こうしたCDは、とにかく見つけたときに買わないと、仮に店に在庫があったとしてもあっという間に売り切れて再び幻化するのである。そういうわけで、これらのCDを見つけた0.00000001秒後に手中に収める。

 これで5作のCDを手中に収めた。合計金額は、私がCDを購入する場合の最大限の金額の2倍であるが、これらのCDを中古屋で回って取得する労力と手間と費用と、そして入手可能性を考えると、おそらくその価格はリーズナブルと思われるので、しばしこれらのCDを手中に収めた余韻を味わった後、意を決してこれらのCDをレジに持っていく。「いやぁよくこれらのCDを仕入れましたねぇ」と感嘆した旨を店員さんに申し述べると、店員さんやたらと恐縮し、かつ照れていた。
 この店は、在庫のある作品については店頭に出ているものに代えて奥にしまってある在庫を売るので、レジの店員さんが奥の在庫を見てくれる。すると、Judy BaileyとAntoine Hervierの作品についてはまだ在庫があるらしく奥の在庫を売ってくれるが、牛ジャケとBob Florenceの作品についてはもう在庫がないため店頭にあるものを売ってもらう。Bob Florenceの作品についてはもう廃盤になって日が相当経っているので(というか、そもそも新品で入手できること自体が奇跡的なので)、これはやむを得ないが、牛ジャケについてはつい最近の作品という印象だったので、在庫がないのには驚いた。もっとも牛ジャケが録音されたのが2000年なので、考えてみると7年前、結構昔の作品になっている。市場から消滅したとしても、これはやむを得ないか。

 輸入盤売り場でおなかいっぱいになったというのに、よせばいいのに国内盤売り場も覗いていく。例によってブラブラとあちらこちら見ていく。私が石丸電気に通いつめていた頃は、輸入盤CDと国内盤CDが同じジャズCD売り場に陳列されていたため、CDの棚が詰まっており、通路が結構狭かった覚えがあるが、輸入盤ジャズCD売り場と国内盤ジャズCD売り場が別のフロアになったので、通路が広くなり、比較的ゆったりとCDを見られるようになった。しかも、試聴ブースではちゃんといすに座ってゆったりと試聴できるようになっている。なんとも至れり尽くせりである。店内には、Emilie-Claire Barlowの新譜がかかっていてなかなかいい感じ。この人、Blossom Dearieほどではないが、かわいい系統のジャズシンガーであり、いずれこの人の作品を取得してみようかと思う。

 CDを陳列している一角に、Argo/Cadetの紙ジャケのCDを集めているところがある。よく見てみるとVito Price “swinging the loop”という作品が売っている。Vito Priceが背中をそらせて路上でサックスを吹いている、特徴のあるジャケットだ。この作品、確か某中古CD屋で廃盤CDとして結構べらぼうな価格で販売されていた覚えがある。それがここではちゃんと定価で販売されている。早速レジに持っていく。ここも在庫がある場合店頭に展示されている品に代えて奥にある在庫を売ってくれるのだが、この作品もう在庫がなく店頭展示品限りのようだ。この作品が本当に廃盤になる日も近いのであろう。

 国内盤もここで買って相当おなかいっぱいになったが、またちょっと輸入盤でも見ようかと思って念のため再び輸入盤のフロアに上がってブラブラ見る。「そういえば、この店って、Horace Tapscott “Thought of Dar Es Salaam”ってあったっけなぁ」と、はっと思いつく。そこで、新入荷コーナーや寺島コーナーをみると、あったわあった、寺島コーナーにちゃんと置いてある。ところがこの盤もすでに廃盤と表示されている。これも見つけたが最後ここで買わないとあっという間に消滅する可能性があるので、見つけた後0.00000001秒後にはすでに手中に収めている。早速これをレジにもっていくと、店員さんが在庫を出してくれる。どうもこの作品については、石丸電気は廃盤であるにもかかわらず結構ごっそりと仕入れたらしいのだが、寺島氏の本に掲載されている作品であるため売れるのは早いかもしれない。それにしてもこうした売れそうな廃盤作品をごっそりと仕入れてくる石丸電気は実に不思議な仕入れルートを持っている。改めて驚嘆した次第である。

 そういうわけで、久々の石丸電気での猟盤は近時まれにみる豊作に終わった。今後も石丸電気の仕入れには要注意と思われる。

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2007年10月10日

Christian Jacob @ Blues Alley Japan

 10月8日家内とともに目黒Blues Alley JapanにChristian Jacobを聴きに行く。Christian Jacobはフランス生まれ、現在アメリカで活躍するジャズピアニストである。この人日本における知名度は低いが、玄人筋からは絶賛されている、知る人ぞ知る、知らない人ぞ知らないピアニストである。ビル・エヴァンスやキース・ジャレット系統の美しいピアノを弾く人である。
 寺島靖国氏の本だと「歌のないピアニスト」とされている。確かに「歌」は、ジャズの本質を構成する要素のひとつであろう。しかし、ジャズの本質を構成する要素は他にもあり、「歌」のみを過大に強調した評価には与しない。

 開演は午後6時半と比較的早め。午後5時半ころBlues Alleyに到着すると、機材の搬入が遅れているので午後5時45分ころの入場となるとのこと。しばらくその辺で時間をつぶして午後5時45分ころに入場する。客はまだ2組くらいしか来ていない。座席がいっぱい空いているのにどういうわけか一つの丸テーブルに相席で座らされる。おそらく予約の際にすでに座席が指定され、たまたま相席になった人たちが我々の来た時間と近接した時間に来たということだろう。しかしそれにしてもこのピアニスト知名度が低いので客はあまり来ないかなぁと思っていると、徐々に客が入り、開演前には8割方座席が埋まる。私の予想していたとおり、多くの4人掛け丸テーブルは相席になっている。大勢で来る客はおらず、たいていが一人又は二人連れで来ていて、落ち着いた大人が多い。

 Blues Alleyは目黒駅から徒歩5分くらいの好立地にある。目黒にはかつて「SONOKA」というジャズのライブハウスがあり、小さいライブハウスではあったが熱いジャズを聴かせていた。しかし数年前に店を閉めてしまった(但し、道玄坂で、"Ko-Ko from SONOKA"として復活。)。
 Blues Alley Japanは、ブルーノート東京のような、小洒落て落ち着いたライブハウスである。しかし、ブルーノート東京のような巨大なスペースではなく、4人掛け円卓が20個くらいある程度のこじんまりとした店である。そのため、東京ブルーノートのように、巨額なチャージをふんだくられた上に外タレを遠くから1時間程度拝むことしかできない席に座らされたあげく、入れ替え制で1セットだけで追い出されるようなことはない。どの座席からもミュージシャンの演奏がよく見えるし、入れ替え制なしで1st setと2nd set双方をゆったり楽しめる。チャージについては、この日は6300円だったので、それほど安いというわけではないが、それでも1万円前後のチャージをふんだくるブルーノート東京に比べればまだリーズナブルである。大きくも小さくもなく、落ち着いてジャズを聴ける、良いライブハウスだと思う。
 また、ここは客席は禁煙である。タバコの煙やにおいに悩まされることなくジャズを楽しむことができる(隅の奥まったところにトイレがあって、その近辺が喫煙所になっている)。私が行ったニューヨークのブルーノートやヴィレッジヴァンガード、ワシントンDCのブルースアレイでも禁煙だった。すでにズージャとタバコの組み合わせは過去のものであると思う。ズージャとスリクーとの関係はどうなのだろうか。

 ちなみに、ワシントンDCにもBlues Alleyがあって、そこは全米屈指のライブハウスである。ウィントン・マルサリスやホッド・オブライエンのライブ盤がそこで録音されている。しかし、このBlues Alley Japanは、ワシントンDCのそれとは特に関係があるというわけではないとのことである。おそらくワシントンDCのBlues Alleyの使用許諾を得てロゴなどを使っているのだろう。

 だいたい定刻の午後6時半ころに演奏が始まる。Christian Jacob (pf), Trey Henry (b), Ray Blinker (ds)のピアノトリオである。

1st set
top down
it never entered my mind
too close for comfort
medley:春〜夏の思い出〜赤とんぼ〜雪の降る町を
Christian Jacob のoriginal曲(曲名忘れた)
I got rhythm

 基本的にキース・ジャレットやビル・エバンスなどの系譜に連なる美し系ジャズピアノである。それでいてかったるくなく、よくスイングする。バラードではリリシズムの横溢する美しいピアノを弾く。アップテンポでは時にアグレッシブに弾きまくり、時にビル・エヴァンスのように硬質かつ美麗な演奏をする。また、各自のソロの他、三者対等のインタープレイを重視する。生で聴いたからこういう印象を受けるのかもしれないが、ピアノ音が美しく、かつ意外とタッチが強靱に聞こえるという私好みのピアノであった。この人のピアノを直接聴くことができてよかった。

 このライブハウスでは、ミュージシャンをカメラで写して舞台横のプロジェクターで大写ししている。時折写されるChristian Jacobの横顔が、「疑惑の銃弾」三浦和義氏に似ていたと思うのは私だけだったか。

 MCは曲の合間に曲名を紹介するという簡単なもの。まぁ英語でギャグを言ってもどうせ観客にはわからないのでこんなものか。日本のリスナーへのサービスとして、日本の曲のメドレーを展開した。日本人なじみのメロディー及び曲に対するイメージを簡単に再構築してアドリブ展開していく。こういうのがジャズならではだと思う。

 1st setが終了した後、客席の後ろの方でサイン会が行われる。CDも売っている。私はまだChristian Jacobのミシェル・ペトルチアーニ集を買っていなかったので、これを買う。その後サインをしてもらう。私は"time lines"のCDのジャケットにサインしてもらった。私の前に並んでいた人は、Christian Jacobがサイドマンで入っているCDまで持ち出し、CDジャケット数枚にサインをしてもらっていた。コアなファンはいるものである。
 私が差し出した"time lines"のCDのジャケットを見ながら、Christian Jacobが「このレーベルにはもう一作吹き込みしているんですよ」と言うので「それはpresented by Maynard Fergusonですな。これはもう廃盤で入手が難しく、しかもとても高いんですよ」と返す。"presented by Maynard Ferguson"は、希少盤なのでやたらと持ち歩きしたくなかったので、time linesを持参したのである。
 ついでに先ほど購入したミシェル・ペトルチアーニ集にもサインをお願いすると、イヤな顔ひとつすることなくサインしてくれる。ジャズミュージシャンには結構横柄なのがいて、例えばNicholas Paytonなんかはそんな感じであったが、この人は結構気さくな感じである。私はすっかりこの人のファンになった。その後も30分の休憩時間のうち半分くらいは熱心にサインに応じていた。

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2nd set
time after time
muddy skies
even mice dance
just in time
little eyes
fine romance
all or nothing at all

encore-曲名わからず。アンコールの曲紹介のときに、「この曲をやるのはこれが初めてです。曲の名前は、多分聞けばわかりますよ」と言って演奏に入ったが、私は曲名をわからなかった。

2nd setの方が演奏がのってきた感じである。私が常日頃CDで聴いてきたChristian Jacobはこういう感じだったなと思う美麗な演奏であった。ピアノに寄り添うベースが、深く味わいのあるもので聴き応えがある。ドラムスも時に力強く時に繊細に演奏全体の色合いをつけていく。ピアノ、ベース、ドラムス三者対等にいい仕事をして歌・揺・美三位一体となった演奏を繰り広げていく。いやぁ〜ジャズのライブを聴くのは本当に久方ぶりだが、聴き終わって改めて聴いてよかったと思う演奏で大満足であった。

 午後9時頃ショータイムが終了する。午後6時半と早めの開演だったので終了も早め。ショータイムが終わった後Christian Jacobのサイン会が引き続き行われる。この人お客との写真撮影にも応じていたので実に気さくな人である。このライブハウスのリスナーの態度は熱心で非常に行儀がよかったので、この人たぶん日本を気に入ったのではないか。事情が許せばまた来日してほしいと思う。

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2007年10月07日

最近の猟盤

【10月1日】

Shirley Scott / Trio Classics Vol.1 (prestige, 1958)@ディスクユニオンお茶の水ジャズ館(輸入・中古)
Petula Clark / Petula 65 (sequel records, 1965), Petula 66 (Sequel records, 1966)@ディスクユニオンお茶の水ジャズ館(輸入・中古)

 この日早めの帰宅のため久々にディスクユニオンをのぞいてみる。新入荷の棚を見ると、Petula Clarkの標記作品があり、かつ値段が800円程度であった。この人の作品を私はほとんど見たことがなく、かつBlossom Dearie等のかわいい声系統のシンガーと聞いていたので、ちょっと興味があった。それゆえこのCDを買うことにする。
 買って家で聞いてみたところ、確かに通常のジャズシンガーに比べるとかわいい声系統の人とは思うが、いまいちかわいい度につき突っ込みが足りない感じ。無論Blossom Dearieの声の魅力には、はるかに及ばない。いかにBlossom Dearieがone and onlyの個性を持ち合わせているかがよくわかる。Petulaは特にこちらから好んで買いたいなぁという人ではない。800円だからまぁ買ってもよかったが、1400円位出して欲しいという感じではない。

 PetulaのCDをキープした後、ブラブラとCD売り場を見ていると、オルガンCDのブースにShirley Scottの標記作品を見つける。私は”Brazil”という曲が好きで、Shirley Scottが”Brazil”を吹き込んだ作品が存在することは知っており、その作品を探していたのだが、なかなかお目にかかれなかった。標記作品は、”Great Scott!”と、”Shirley’s Sounds”という2作品(1958年5月23日に両作品ともに録音)を2in1としたお買い得CDである。そして、”Great Scott!”の方にお目当てのBrazilが入っていた。これらの作品はCDでお目にかかったことがないのでこの際購入する。
 上記Petulaは当たりという感じではなかった。しかし、Shirley Scottの方については、Brazilが入っていることもさることながら、この人のオルガンはコテコテにファンキー過ぎず、ほどほどに上品な感じであってなかなか好ましく、よい買い物をしたなぁと思っている。

【10月5日】

Lonely and Blue / Beverly Kenney (SSJ, 1952頃)@ディスクユニオンお茶の水ジャズ館(新品、国内)

 この日ディスクユニオンお茶の水ジャズ館に大した期待もせずにちょいと寄ってみる。まず2階の中古CDのフロアに行ってみると、例によって団塊近辺の濃密オヤジで込み合っており、早くも店を見る気が失せる。それでも店の在庫を目を皿のようにしてみるが、一見してろくな在庫がないのがよくわかり、濃密オヤジで込み合う店内とあいまってみるみるうちに店を見るモチベーションが下がる。「今日の中古はダメだわ」と思って、3階の新品CDフロアに行く。

 店に入ってすぐのところに新譜売場がある。そこに展示されている新譜をぐるりと見渡すと標記Beverly Kenneyの作品を発見する。そういえばスイングジャーナルでBeverly Kenneyの復刻盤の紹介がしてあることを思い出し、「ああこれがそうだったな」と思って買うことにする。この人の可憐でみずみずしい声を私は結構気に入っているため、私はこの人の作品を結構CDで持っている。この人若くして亡くなっているためこの人の残したアルバムは少ない。そのためこの人の作品を集めていると、知らず知らずのうちにこの人の作品を全部持っていた、ということになる。
 以前、SSJ(シナトラ・ソサエティ・ジャパン)から、この人の未発表の作品が出された。今回の作品もSSJから世界初登場と銘打っての作品である。この類の作品は、気がつくと消滅していることが多い。すでに私がこの日この作品を見つけた時点で新譜売場にはこの作品1枚しか残っていなかった。これは買わざるを得ないであろう。そういうわけで、この日はこの作品を買っておなかいっぱいになり帰宅する。

【10月7日】

Beverly Kenney / The Basie Ites (Roost, 1956)@ディスクユニオン吉祥寺ジャズ館(中古・輸入)
Bill Evans Monica Zetterlund (West Wind,1975)@ディスクユニオン吉祥寺ジャズ館(中古・輸入)

 この日本当に久方ぶりにディスクユニオン吉祥寺ジャズ館に行ってみる。この吉祥寺ジャズ館はCDとLPが同じフロアに並べられているため、フロアにいるオヤジの濃密度がかなり高い。CDをみるオヤジよりもLPをみるオヤジの方が圧倒的にマニアックかつパラノイアックである。そのため、店の空気が何となくCD売り場だけのフロアと異なるのである。従って、勢い込んで人がみているCDのところに手を伸ばしてくるような無礼なオヤジも多く、なかなか油断ならない。

 この日最初いくつかの段ボール箱に入れられているCDを見る。どうもCDを様々なカテゴリー(例えば、女性ボーカルとか、新入荷とか、ノーマというレーベルのCDとか)にわけてプチセールをやっているようだ。

 女性ボーカルのダンボール箱は3つあって、そのうちのひとつをハゲ頭のジャズオヤジが目を皿のようにして漁っている。私はその他の2つの箱を一瞥し、標記作品のうちまずBeverly Kenneyの作品を見つけ出してその0.0000000001秒後にはこれを手にとって確保する。
 Beverly Kenneyの作品は、最近そのほとんどがCD化され、かつ容易に入手することができる。しかしながら、不思議なことに”Basie Ites”という作品だけは、15年ほど前にフレッシュサウンド及び東芝EMIからCD化されて以来、全く再発されておらず、久しく廃盤のままである。中古屋でも、この作品だけはそう頻繁にお目にかかれるものではない。従って、ディスクユニオンお茶の水ジャズ館の中古CD売場の廃盤CDセールだと、間違いなく3000円を越える値段で販売されるであろう。しかしながら、この日はこの作品1680円で販売されている。
 いわゆる「廃盤掘り起こし本」に載っているような希少CDを中古屋がリストアップして廃盤CDセールで目の玉が出るような高値で売るというのが近時の傾向である。しかし、「廃盤掘り起こし本」には出てこないようなものであっても、希少CDはいくらでもあり、中古屋のチェックにもれた希少CDをリーズナブルな値段で取得するのはひとつの中古CD漁りの楽しみである。

 その後他の棚をブラブラと見て購入候補となるCDをいくつかキープしたのち、再び女性ボーカルのCDの段ボール箱を見る。女性ボーカルCDの入っている3つの段ボール箱のうちひとつをハゲ&ヒゲのジャズオヤジが目を皿のようにしてあさっている。私は他の2つの段ボール箱を一瞥し、標記作品のうち”Bill Evans Monica Zetterlund”を一瞬で見つけ、その0.000000001秒後にこれを手中に収める。
 Phillipsレーベルから出ているBill EvansとMonica Zetterlundの作品は極めて簡単に入手できる。しかしこのBill EvansとMonica Zetterlund競演の作品は15年位前にWest Windから発売されて以来長いこと廃盤のままである。この作品を見つけるのは相当困難である。再発の可能性は皆無に等しいと思う(もっとも最近、Bill Evansのようなメジャーなジャズミュージシャンであれば、GambitやLonehill recordsが、奇跡的に希少CDを再発するケースはあるが。)。そうしたCDを、この日は1300円で入手することができた。

 この日、ジャズオヤジが髪の毛振り乱して−いやそのオヤジには髪の毛なかったな−CDを漁っているのを尻目に、寸時に希少CDを廉価でキープすることができた。これらのCDを発掘できないとは、意外とこれらのジャズオヤジたちの目は節穴なのかもしれない。それとも、標記作品はすでに取得済みなのだろうか。それらのジャズオヤジたちが手にしていたCDから推測すると、そうは見えなかったが。

 他にも購入候補のCDはあったが、上記2枚に比べればクソみたいなものだったので、上記2枚を早々に購入し、おなかいっぱいになって吉祥寺を後にする。

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2007年09月25日

最近買ったCD

【9月20日】

 この日かねてから注文してあったManuel Rocheman ”Tropic City”と、Eugine Maslov” Autumn in New England”が到着する。両作品ともに、「幻のCD廃盤/レア盤掘り起こしコレクション」(「レア本」)で、希少度★★★★を有するレア盤であり、ヤフーオークションで出品されると万単位の落札価格がついた。そういうわけで、これらの作品には興味津々であった。

 すると、こうしたレア盤をどこからともなく仕入れてくるvento azul recordさんのホームページに、Eugine Maslov”Autumn in New England”が8月上旬に入荷する旨の記事を発見する。ついにこれも再発されるのかと感極まりこれを注文することとする。さらにManuel Rochemanの作品も、ディスクユニオンではすでに店頭に並んでおり、かつvento azul recordさんにも入荷していたが、特にこれは急いで欲しいというものではなかったので、Eugine Maslovの作品と一緒に8月上旬に入手できればいいやと思い、Eugine Maslovの作品と一緒にvento azul recordさんに7月24日に注文する。

 しかしながら、このEugine Maslovの作品、入荷予定の8月上旬になっても一向に入荷の気配がない。この手の作品はどういうわけか入荷予定時期になってもなかなか入荷しないことが多い。そういうわけで、気長に待っていると、突如9月14日に入荷の報がvento azul recordさんから入る。しかしこれを見たのが9月15日であり、今から代金を振り込んでも9月15日から3連休のため、発送は早くても9月18日になってしまう。そういうわけで、受領は遅くなってしまうが、まぁやむを得ないかと思う。

 私がこのEugine Maslovの作品の入荷通知を受けた後vento azul recordさんのHPを見ると、すでに事前の予約分だけで在庫がはけてしまい、これから注文する人は次回入荷待ちということである。この手の商品は次回入荷があるのだろうか。ある場合でも次回入荷まではちょっと時間がかかるだろう。予約しておいてよかった。

 ちなみに、9月中旬頃ディスクユニオン御茶ノ水ジャズ館に行くと、このEugine Maslovの作品が平積みになって数枚売っていた形跡があるのだが、もう1枚しか残っていない。その後数日してから再びディスクユニオンお茶の水ジャズ館に行くと、もうこの作品影も形もなくなっていた。希少廃盤の前評判が立っていると、再発された場合の売れ行きが早い。もちろん、「レア本」に掲載されていたCDであるというだけで、そのCDが再発されるやいなや消滅するというものではない。しかしながら、この作品、ヤフオクで出品されるたびに万単位の落札価格がつくので「レア本」掲載作品の中でも相当評価が高かったのだろう。

 Manuel Rochemanの上記作品もまた希少盤である。vento azul recordさんのHPでは、もともとの発売元であるA-recordsとの契約が切れてしまったため、vento azul早川氏との直接交渉の末、Manuelに商売っ気があって再発にこぎつけたようである。こうした希少盤の場合、需要と供給の関係だけではなく、権利関係がクリアになることやアーティスト本人に商売っ気があるかどうかなど様々な要件が備わった上で再発になるという、綱渡りのような状況なので、とにかく「見たときに買え」の原則が、より厳格に該当する。

 そういうわけでEugine Maslovのこの作品及びManuel Rochemanのこの作品は、それが再発されることを確認してから即座に購入を決意し、予約ないし注文した。9月14日の入荷通知を受けるや否や、翌日には代金を振り込んだ。すると9月18日に送付したとのことで、上記の通9月20日に両作品を受領した。現代版「幻の名盤」をついに手にすることができて感無量である。

【9月24日】

 この日子供と秋葉原にある「武器屋」と「武装商店」を見た後、子供を先に家に帰して中古CD漁りをする。秋葉原のCD屋といえばヨドバシアキバの7階にあるタワーレコードである。ここでぶらぶらとCDを見るが、特に惹かれる作品がなかったので、ここではCDを買わない。また、秋葉原にはかつて「ディスクマップ」という秀逸な中古CD屋があったが、10年くらい前に破産して消滅してしまった。惜しいCD屋を亡くした。また、秋葉原には「リバティ」というチェーン店があるが、ジャズCDの品数が極めて少なく、あまり漁る価値はないのでパスする。

 秋葉原の次にCDを漁るとなるとお茶の水、お茶の水というともうディスクユニオンお茶の水ジャズ館である。お茶の水界隈にはジャズの店は結構あるのだが、ことCDとなるとやっぱり量&質を考えるとここである。そういうわけでまずは2階中古CDフロアである。

 店に入ってすぐのところにある新入荷CDの棚の一番上の部分に、やたらと上質の希少輸入廃盤CDが並んでいる。また、その棚の上にも希少廃盤輸入CDが並んでいる。それらのCDの値段は高く、5000円〜1万円を超える値段である。どうもこの日、輸入廃盤CDセールをやっているらしく、他の棚にも輸入廃盤CDがズラリと並んでいて、しかも軒並み高値がついている。例えばMoncef Genoud ”Waiting for Birth”に3万円を超える値段がついていたりとか。私がほとんど持っているEden Atwoodのconcordから出ている作品にも7000円を超える値段がついている。レア本に掲載されている作品には5000円以上の値段がついているものが多い。

 なるほどそのセールで販売されている作品には上玉が多いが、すでに入手している作品が多く、かつ入手していなくてもちょっと値段が高いなぁと思いながらパラパラと作品を見ていくと、Christian Jacob “Maynard Ferguson Presents Christian Jacob”を見つける。これはChristian Jacobの作品中現在廃盤で入手困難なものである。Amazon.co.jpでは1万5000円以上の値段が、Amazon.comでは75ドル以上の値段がついている。しかし、ここでは、一応盤質Bでありながら、3350円である。
 3350円という値段は非常に微妙である。中古CDとしてはべらぼうに高いのだが、希少盤CDとしては悪くない値段である。特に上述のアマゾンでついている値段からすると、なおさらリーズナブルかと思う。盤質Bなので、検盤させてもらったところ、Bとするほど悪くはない。A’という感じか。う〜んどうしようと悩んだ挙句、この作品極めて珍しいこと、値段は中古CDにしては高いが廃盤CDとしてはまぁまぁであり、そもそも昔はCDが3000円以上してたからCDに3000円出してもまぁいいかと妙な開き直りをしてこの作品を買うことにする。
 この作品、concordから出ているので、再発されるリスクが全くないとはいえない。しかし、concordの場合、過去の作品をマメに再発しているかというと、例えばEden Atwoodの諸作にみられるように、必ずしもそうではないということから、この作品も、おそらく相当長い間再発のリスクはないだろうと思い、今時点で比較的高めの価格でも買っておく価値はあると思い、この作品を買うことにした。

 その後新宿に行き、ディスクユニオンやタワーレコードをぶらぶらと見ていくが、この日Christian Jacobを買ってしまったのでおなかいっぱいになってしまい、ここではCDを買わずじまいであった。この日はなかなかいい買い物ができたわいと思って気分よく帰宅する。

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2007年09月20日

最近の猟盤

【9月12日】

水曜日は全省庁の定時退庁日となっており、役所の人は特段の事情がない限り定時の退庁を履行してほしいということになっている。そのお言葉に甘えて、この日定時よりも少々遅いがいつもより早めに退庁して久々にディスクユニオンお茶の水ジャズ館に行く。

まずは2階の中古CDフロアに行く。水曜日だから人が少ないだろうと思って店に入ると、全くそんなことはなく、ジャズおやじでごったがえしている。それにしても中古CD屋に集まってくるようなのはオヤジばかり。しかもパッと見over50。私なんかみたいに40歳を少し過ぎた程度ではまだはな垂れ小僧という感じである。

新入荷の棚を見ると、Paolo Sabatino "Foto Rubate"という作品が売っている。私はPaolo Sabatinoというイタリアのピアニストを結構気に入っている。この人はピアノタッチが強靱であり、時にアグレッシブにひきまくりながら、その演奏はキラキラと美しいというめっぽう魅力的なピアノを弾く人である。一昔前は知る人ぞ知るというピアニストであり、CD入手が困難であったが、最近の輸入廃盤CDブームに乗って徐々に知名度を上げ、CDの入手も容易になってきた。そのため私は"Introducing Paolo di Sabatino""Threeo""Paolo di Sabatino"と既に3作品を所持している。

この"Foto Rubate"という作品も、MOONKSが最近出した大和文庫の本で紹介されていたが、まさかCD化されているとは思わなかった。そのため私は新入荷の棚でこの作品を見た0.0000001秒後にこれを捕まえる。しかも1050円という廉価がうれしい。この作品仮に2000円でも買ったであろう。ディスクユニオンお茶の水ジャズ館に出入りするような連中は手練手管のジャズオヤジが多く、特に新入荷の棚なんか見ている連中はなおさらなので、この日そうしたジャズオヤジにこの作品を持って行かれなかったことを感謝する。ちなみにこの手の希少CDの通信販売を得意とするvento azul recordでは、この作品は2650円と結構値が張る。

その後しばらく他に光るCDはないかと店の中をブラブラするが、すでに"Foto Rubate"でおなかいっぱいになってしまったため、他の作品に特に魅力を感じなかった。その間、さっきまでうじゃうじゃいたジャズオヤジ達は雲散霧消し、いつの間にか店の中にいるのは私一人だけとなっていた。どんなにおなかいっぱいになってもこれでもかこれでもかと貪欲に光る盤を探し続ける私をそこに見たような気がした。

次に3階の新品CDフロアに赴く。パッとみて光るCDは2作。一作はGilbert Sigrist "Jazz Anachronizzm"。もう一作はChris Lomheim "...and you've been waiting?"。後者を取る。前者は、グリーグ「ペールギュント」中の「ソルヴェイグの歌」など、クラシックをネタにしてこれを換骨奪胎し、見事なジャズピアノに仕上げた作品で、それはそれで魅力的である。しかし、後者のピアノは、アドリブに歌心があって美しいだけでなく所々見せるこしの強靱さにその魅力がある。後者の方が私好みなところがあるので後者を取る。この日はなかなか魅力的なCDを買
うことができた。

【9月15日】

この日3連休の初日である。なおかつこの日我が敬愛するジャズピアニストビル・エヴァンスの命日なので、ビル・エヴァンスのCDでよさげなのがあったら買おうと思い、役所に自転車を取りに行く前にまずディスクユニオンお茶の水店に行ってみる。しかしさすがにビル・エヴァンスのCDを100枚近く持っていると、ちょっとやそっとのものでは買おうという気が起きない。この日も新入荷CDの棚や、ビル・エヴァンスのCDが並んでいる棚を見たが、ビル・エヴァンスのCDについては特に買おうという気がおきるものがなかったのでこれを買うのは見送った。

この日新入荷の棚を見ると、Teddy Charles "A Word from Bird"を見つける。Teddy Charlesというと、アトランティックの「Tentet」が有名である。しかし、こちらの作品は、ラズウェル細木氏がジャズ批評で連載していた「ときめきジャズタイム」で希少盤として紹介されており、それほど頻繁にお目にかかる作品というわけではなさそうだ。さらに、有名な「Tentet」と異なり長らくCD化されていなかったため、「Tentet」と比べると、所持している人はかなり少ないのではなかろうか。最近輸入盤ではあるがCD化されたものをようやくこの日になって入手することができた。しかも、1000円ちょっとと比較的廉価で入手できたのでなおさらよかった。廃盤でもなんでもない輸入中古CD、とりわけ1950年〜60年代のものは近時本当に安く、よほどの付加価値がない限り1500円以上出して買う気がしなくなった。

新入荷CDの棚を見終わった後、ジャズピアノのCDの棚をぶらぶらと見ていると、Barry Harris "Live in Spain"を発見し、その0.000001秒後にこれを手に取る。この作品はBarry Harrisの最近の(といってももう10年以上前)傑作として知る人ぞ知る、知らない人ぞ知らない作品である。長らく幻の名盤として珍重されてきたが、近時再発されて輸入盤の入手は楽になった。しかし私がこの日入手したのは国内盤として寺島靖国氏のライナーノーツを付して発売されたものである。国内盤として発売されたものにお目にかかるのは珍しいと思う。また、寺島氏の独断と偏見に満ちたジャズ批評には賛否両論があるが、その点は抜きにしてこの人なかなか面白い文章を書く人なので、この人のライナーノーツがあるだけで輸入盤とは別格の価値を有すると私は考えている。しかもプラケースに割れがあるため1500円と価格が抑えめになっている。ディスクユニオンで新品を買うとするともう1000円は必要である。そんなわけで、これはもう買うしかなかった。

ディスクユニオンの場合、中古CDはまず店に入って直ぐのところにある新入荷CDの棚に陳列され、ここで売れ残った物が次に楽器別・アーティスト別の棚に陳列される。この作品は、新入荷CDの棚ではなく、楽器別(ピアノ)の棚にあった。新入荷CDの棚に陳列されていた時に売れ残ったのが奇跡みたいな作品であると思う。翌9月16日、同じくディスクユニオンお茶の水店で、国内廃盤ジャズCDセールがある旨告知されていた。9月16日にはオセロ大会があるのでもしこれが終わった後時間的に余裕があれば行ってみようかと思う。

【9月16日】

16日にオセロ大会が終わった後時間的に余裕があったので、ディスクユニオンお茶の水ジャズ館の国内廃盤CDセールに行ってみる。Gコレクションシリーズなど、古典的な廃盤CDを数千円台の価格で売っている。廃盤CDセールのポスターには目玉商品の写真が掲載されているが(例えば、メアリー・オズボーン「ア・ガール・アンド・ハー・ギター」とか、ジョアン・ジルベルト「ジョアン・ジルベルトの伝説」、パット・モラン「ディス・イズ・パット・モラン」など。)、どういうわけか目玉商品が全く売れていない。また、中には、例えばピート・ジョリー「スゥイート・セプテンバー」のように、既にCDが再発されているにもかかわらず、「廃盤」と銘打って高値で販売しているものもある。こういうのはちょっと問題じゃないかなぁ。とりあえず、光る盤を全く見つけることが出来なかったので何も買わずに店を出る。

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2007年09月15日

9月15日

さて9月15日は我が最愛のピアニストであるビル・エヴァンス(Bill Evans)の命日である。エヴァンスは1980年のこの日ニューヨークのマウント・サイナイ病院において気管支肺炎、出血性潰瘍及び肝硬変で死去した。享年51歳。

 エヴァンス逝去直後のスイング・ジャーナル1980年11月号を改めて読み返してみると、訃報記事、葬儀や追悼コンサートの様子、ディスコグラフィー、追悼特集としてマイク・ブルームとのインタビュー及びコンラッド・シルバートのコラムが掲載されている。マイク・ブルームとのインタビューが特に面白く、マーク・ジョンソンとジョー・ラバーバラとのトリオはスコット・ラファロとポール・モチアンとのトリオと肩を並べるとか、マイルス・ディビスが作ったとされる<ブルー・イン・グリーン>という曲は実はエヴァンスの曲だというエヴァンスの発言は、ここから来ている。ただ、この号の表紙を飾ったのがエヴァンスではなく、リッチー・コールだというのはいただけない。
 
 そんなこともあってか、1980年のスイングジャーナル別冊「ジャズ読本」は、表紙に吉田カツによるエヴァンスの肖像画(これは後に発表される「コンセクレーション」のジャケットを飾ることになる)をあしらっている。中身も10ページに渡ってエヴァンスのポートレートを、14ページに渡って関係者(ヘレン・キーン、オリン・キープニュース、マーク・ジョンソン、ジョー・ラバーバラ)の思い出話を掲載している。「ピースピース」が演奏された状況(オリン・キープニュース)、エヴァンスは家では「インタープレイ」をよく聞いていた話(ジョー・ラバーバラ)が面白い。

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 私が考えているエヴァンスの演奏曲ベスト3は以下のとおりである。そこで、この日は主として以下の曲が収録されているアルバムを聴いて亡きエヴァンスを偲ぶこととする。
1位 Peace Piece:Everybody Digs Bill Evans(Riverside,1958)所収
2位 Nardis:Paris Concert Edition II (Elektra Musician,1979)所収
3位 枯葉:Portrait in Jazz (Riverside,1959)所収
同  My Foolish Heart:Waltz for Debby (Riverside,1961)所収

 "Peace Piece"は、スタンダード曲である"Some Other Time"を演奏しようとしてイントロを奏でていたところ、ハッとインスピレーションがエヴァンスに宿り、急遽即興演奏に入ってしまってそのまま勢いで6分38秒まるまる神がかり的に演奏しきってしまった名作。最も静かで穏やかな瞬間から最も荒々しく高ぶる瞬間まで過不足なく完璧に演じ切り、インプロヴィゼーションの切れ味は神業としか思えない。 エヴァンスの演奏には俗に駄作はないといわれるが、これだけは別格。

 "Nardis"は、エヴァンス名義での作品では1961年の「Exploration」での初演から終生繰り返し演奏したエヴァンスの愛奏曲。しかし、「Exploration」でのNardisと、「Montreux Jazz Festival」(1968年)近辺でのNardisと、この「Paris Concert」でのNardisでは、素人目に聴いても明らかに曲想が異なる。Explorationでは「楷書」、Montreuxでは「行書」、Paris Concertでは「草書」という感じ。Paris Concertでは、ピアノ、ベース及びドラムスのソロのフォーマットが採用されるが、それぞれのソロが終わってテーマに入るところが感動的。特に16分10秒近くでドラムスのソロの終わり間際のドラムロールから間髪をいれず、「タッターン」とエヴァンスのピアノが入ってテーマになだれ込むところで鳥肌。無論エヴァンスのピアノも、エヴァンス末期の絶唱調のアグレッシブなソロで実に感動的である。

 「Portrait in Jazz」の枯葉は、私が1986年にエヴァンスにのめりこむきっかけとなった名演である。その演奏は実にハードボイルドであってかっこいい。速めのテンポでのテーマからベースとの哲学的な会話、そして一気にスインギーかつメロディアス、そして硬質なアドリブへとなだれ込む。実に完璧な演奏で一気にエヴァンスにはまった。

 「Waltz for Debby」のMy Foolish Heartについては、これをしのぐバラード演奏は皆無といっていいほど完成度が高い。テーマ〜アドリブ〜テーマ、という典型的なジャズ演奏、というより、この曲の演奏自体がすでに一曲として完成されている感じ。とにかく演奏に酔いしれるほかはない、という稚拙なコメントしか今のところ述べることはできない。こういう演奏は命を削らないとできないだろう。そりゃ早死にするわけである。

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2007年05月01日

4月30日の猟盤

 4月28日〜30日までの連休には自転車に乗らない。酒屋で「山崎10年」が安かったのでこれを買って飲んだくれながらひたすらジャズを聴いていたのである。
 自転車に乗るなら平日自転車通勤で乗れるし、ちょいと距離を乗ろうと思ったら朝いつもより早起きして荒サイを回ってから出勤すればいい。しかしジャズを聴いて飲んだくれると翌日に差し支える。そういうわけで、ジャズを聴いて飲んだくれるにはどうしても休みが続いた日でないとダメなのである。
 山崎10年は端麗で軽やかな味わいがあってそれはそれでいいのだが、ラフロイグとかボーモアとかのアイラモルトに慣れた私にとってはいまいちパンチに欠ける感もある。しかし端麗な味わいは日本ウィスキーの売りであり、料理の味が生きる繊細な味わいと思うと、なかなかよいものかなぁとも考えられる。

 しかし、ジャズを聴いて飲んだくれていたのでは健康に良くないので日に当たろうと思う。たまたま子供と家内が浅草にある花やしきに行きたいというので、家内と子供を連れて花やしきに行く。しかしながら、私は遊園地が嫌いなので、しばらく花やしきをぶらぶらした後、家内と子供に断りを入れて別行動とし、花やしきを出る。

 花やしきを出てから浅草の土産物屋さんに立ち寄る。私が役所に出向する前に法律事務所で働いていたころのクライアントの会社に勤めていた人の奥さんの実家である。そこで、その人とひとしきり現在の仕事の話とか、ファンドの話とか、金融行政の行く末の話をする。私は主として金融に関する案件に従事していたが、役人になってからはそういう話とトンと縁がなくなっていたので、久々にする金融の話は新鮮であった。

 その土産物屋さんを出てから地下鉄に乗ってお茶の水へ。お茶の水といえばディスクユニオンである。この日ディスクユニオンお茶の水ジャズ館で、国内盤廃盤CDセールをやっていた。4月28日に行ったディスクユニオン新宿店の廃盤CDセールと比べると出品枚数は少ないが、まずまずの品揃えと思った。お茶の水ジャズ館の廃盤CDセールのポスターに出ていた廃盤CDはほぼはけていた。ディスクユニオンお茶の水ジャズ館の廃盤CDセールの値段設定は、ディスクユニオン新宿ジャズ館の廃盤CDセールの値段設定よりも若干高めであると思う。

 その廃盤CDセールの棚を見ていて、これはと思ったのが、"Jimmy Wisner / Aperseption"であった。これは1988年センチュリーレコードから出たGコレクションシリーズの一環として出されたものである。この「Gコレクションシリーズ」は、よくこんなものばかりCD化したなぁという超マニアックな作品ばかりをCD化したものである。これらの作品は1988年にCD化されてから、あっという間に廃盤になってしまった。
 私はGコレクションシリーズの作品を追い求めて、今ではかなりの作品を手中に収めているが、それでもこのGコレクションの作品はそう簡単に市場で見かけるものではなく、ものによっては見つかるほうが奇跡という作品もある。このJimmy Wisnerの作品はその一つである。

 おそらく数年前の廃盤CDセールだと、Gコレクションシリーズの作品は目玉商品となったであろう。そして、5千円位の値段がついたであろう。しかしながら、最近は、いわゆる「廃盤掘り起こし本」とよばれる輸入希少盤を取り上げた本に掲載されている輸入廃盤にスポットライトが当たり、Gコレクションシリーズのような古典的な希少廃盤の神通力は薄れている。

 しかし、そうはいっても以前Gコレクションシリーズは典型的な廃盤CDであり、この日3150円で販売されている。しかしこのシリーズは本来もっと高値で販売されても全く文句の言えないものである。現に10年ほど前、このシリーズの"Paul Moer"は今は亡きDisk Mapで5千円を越えるあこぎな値段で販売されていた。そういうわけで、3150円ならまぁいいかと思って購入することにする。

 その後ヴォーカルの棚を見ていると、"Juanita Hall/Sings the Blues"という作品が目に付く。この作品、確か以前に買った記憶があったが、先日来行っているヴォーカルCDのリスト作成のため手持ちCDを調査していたところ、これを所持していないことが判明した。そこで、確か先日DUお茶の水でこれを見たなぁという記憶があってDUお茶の水中古CD売り場を見たところ、やはり私の記憶は正しく、Juanita Hallは笠置シヅ子のような風貌で私の購入を待っていてくれた。
 この作品、20年くらい前にスイングジャーナルの別冊として出ていた「JAZZ名曲名盤」という本に、斉木克己氏が「激難」すなわち最高クラスの入手難幻のCDとして紹介していた。現在はそのCDが735円で入手できるのである。時代は変わった。

 この日はこの2枚でおなか一杯になった。そういえばこの日、先日の伊豆300kmブルベで雨に濡れてお釈迦になった携帯電話の代わりに新しい携帯電話を買わねばならないことを思い出し、DUお茶の水を出てから携帯電話を買いに新宿に向かう。今度はカメラ機能付きの携帯電話を買うことにしよう。ブルベ中の風景を写真に撮るのもいいし、道路交通法違反を犯したおまわりを撮影してブログにアップするのもいいかな。

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2007年04月30日

4月28日の猟盤

 4月28日久々にCD漁りでもしようかと思う。この日はどうも午後から雷雨になるという天気予報だったので、自転車では行かず地下鉄をつかうことにする。

 地下鉄に乗る前に吉田自転車に行ってビンディングシューズのクリートを買う。今まではルックの黒のクリートを使っていた。これだとビンディングペダルにシューズを固定したときに左右の遊びがないのでやや窮屈な感じ。そこで今回は再び赤のクリートに戻す。これならビンディングペダルにシューズを固定したとき左右に遊びがあるので足に余裕が出る。
 ただ、クリートのネジ山がすりへってしまい、しかもクリートをシューズから外すのに大き目の特殊なドライバーが必要となりそうなので、エディさんにクリートを外してもらう。エディさんのようなプロでも相当外すのに苦労していたので私ごときではおそらく外せなかったであろう。
 今度買った赤クリートは、ようやくアーレンキーで着脱できるようになったので、クリート交換の時も楽にクリートを外すことができそうだ。
 ついでにクリートカバーも買う。これがないとビンディングシューズで歩くときに歩きにくく、かつ歩行中に滑ってしまうおそれがある。クリートカバーは私にとって必需品である。最近このクリートカバーは品薄だが吉田自転車ではこれを備えてくれているので安心である。

 早速地下鉄に乗って新お茶の水駅で地下鉄を降り、ディスクユニオンお茶の水ジャズ館に赴こうとするとドンヨリドヨドヨとどす黒い雲が垂れ込めてあっという間に大粒の雨が打ちつける。天気予報で雷雨になると知りながら傘を忘れた私は近くのコンビニに駆け込んで傘を買う。何はなくともお金とコンビニさえあればとりあえず何とかなってしまう日本は良い国である。
 そういうわけでまずはディスクユニオンお茶の水ジャズ館へ。4月29日に国内廃盤ジャズCDセールを控えているせいか、中古フロアには大した品はそろっていない。新品フロアにも大したものはなかった。雷雨のため客が少なくて見やすかったが、大した品がないのでは引き上げるしかない。窓から外をみて、小降りになったころを見計らってズラかる。

御茶ノ水駅で中央線に乗って新宿へ。久々にディスクユニオン新宿ジャズ館に行ってみる。すると3階にあったジャズLPレコード売り場が他に移動し、2階と3階が両方とも中古CD売り場になっているではないか。まずは3階に行ってみると、そこは楽器別、及びアーティスト別にジャズCDが陳列されている。しかも「新入荷」というカテゴリーの棚やえさ箱がない。売り場はやや広めになっており、棚が広くなって見やすくなっている。

次に2階に行ってみる。売り場では、壁に沿ってぐるりと棚が並んでおり、真ん中に一つどかんと棚が置いてある。以前は真ん中にどかんと一つ棚が置いてあるところに二つ棚が置いてあったため通路が狭くてみにくかったが今度は通路が広がって見やすくなっている。ここはアーティスト別のCDの陳列ではなく、ただ単に楽器別のCDの陳列である。どうもここが新入荷のフロアとなっているようだ。

この日中央の棚には高価な廃盤CDが陳列されていた。また、廃盤CDセールである旨表示したえさ箱が並んでいる。どうもこの日廃盤CDセールの日のようである。中身をみると結構充実している。
 "Bill Evans Live in Stockholm"などという希少盤もあって質の高さをうかがわせる。私はこの盤を既に所持しているため買おうとは思わなかったが、これはBill Evansの希少盤中の希少盤であるため、探している人も多いと思う。しかも4000円前後と、この盤を本気で探している人にとってはお買い得の値段であるといえる。それがためかこのBill Evans盤、私が少し目をはなしたすきにあっという間に売れてしまった。

 前日、ヴォーカルのジャズCDリストを作っていて、「Joni JamesのCDがほしいなぁ」と思っていたところ、DIWレコードからかつて出ていたJoni JamesのCDが結構大量に陳列されている。これらのCDは十数年前にDIWレコードから国内盤が発売されたが現在では廃盤である。このJoni JamesのCDの原盤は、Joni James自身が買ってしまい、しかもJoni Jamesはなぜか再発をしぶるようなので、一度これが廃盤になってしまうとなかなか再発は望めない。陳列されている品の中でとりあえず"Let There Be Love"だけ買っておく。
 他、"Dave Bailey/Bash!" "Rick Margitza/This is New" "Booker Little-Donald Byrd/the Soul of Jazz Percussion"を買う。いずれもあまり市場では見かけない廃盤である。いずれも2000円前後の適価であった。
 
 DU新宿の廃盤セールの値段は割りと良心的と思う。他のDUだと5千円以上で売っているCDがここだと2500円くらいで売っていたりする。2年位前に廃盤掘り起こし本という本が出て、そこに出てくる廃盤CD(輸入盤が多い)に人気が出て、そのCDが万単位で廃盤CDセールで売られたことがあった。そして、それに便乗して廃盤CDが高値で売られたことがあった。しかし、その廃盤CDブームはすっかり沈静化したため、廃盤CDでもあまり高値をつけると売れなくなった。そのためか、以前6000円近い値段で売っていたCDでも最近は2000円台で売るようになっている。まぁ妥当な線であろう。

 そういうわけでこの日久々に廃盤CD漁りを堪能する。新宿店の店構えが変わったので今後要注目である。その後念のため1階の新品CDフロアも見るが、大した品がないので何も買わない。

小腹が空いたので、近くのとんこつラーメン屋で高菜ラーメンを食べて帰宅する。この日なかなか充実したCD漁りができてよかった。

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2007年03月30日

最近の猟盤

【3月18日】
宮沢昭/On Green Dolphin Street @ヤフオク 2800円

 この日標記作品をヤフオクで落札する。宮沢の作品については、数年前に「いわな」を、3月になって「山女魚」を購入した。

 宮沢のプレイはなかなか迫力があって力強く、サックスをサックスらしく鳴らしていて気に入っている。宮沢のCDはかつて廃盤で入手が困難だったが、最近「いわな」「木曽」「山女魚」と、Thinkレーベルから続々と再発されている。しかし、この"on the green dolphin street"とか、"my piccolo"とかは、依然として廃盤のままである。この日ヤフオクでこれが出品されているのをたまたま目撃したので入札する。

 終了時刻30分くらい前に入札し、もし他の人が入札してきたらあきらめる所存だったのだが、他に誰も入札せぬまま終了したため私が落札した。3月23日に到着する。この作品は「いわな」のようにアグレッシブな作品ではなく、「山女魚」のように割と中庸を得た作品であり聴きやすい。宮沢の太くてたくましいサックスが楽しめる。

【3月28日】

Don Ellis / Live at Monterey! @DUお茶の水
Laurie Allyn / Paradise@タワーレコード秋葉原

 この日久々に中古CDでも漁ってみるかと思い、DUお茶の水に行ってみる。金曜日や週末にはオヤジたちでごったがえすDUお茶の水ジャズ館も、水曜日となると人が少なくて見やすい。
 
 この日アイク・ケベック「ブルーアンドセンチメンタル」735円を買おうかと思ったが、標記ドン・エリスの作品が目に入ったので止めておく。このドン・エリスの作品は、19拍子など変拍子を使用しつつスイングするというおもしろい作品であり前々から興味があったのだが、この作品廃盤のため市場でほとんど見ない。しかもこの作品1050円である。そこでこの日はこれを買うことにする。この作品たぶん廃盤CDセールとかやると2.5倍くらいの値段で販売されるんだろうなぁ。

 廃盤CDセールとは、現在市場に出回っていないCDばかり集めてプレミアムをつけて販売するセールである。例えばズート・シムズ「デュクレデトムソン」などという作品を、廃盤CDということで5000円を超える値段で売るというものである。ところがこの「デュクレデトムソン」、5000円を超える値段では全く売れる気配がなく、今は3500円に値下げされて売られている。たぶんこの値段でも当分売れないであろう。廃盤CDということであまり露骨に値段をつり上げて販売しても売れないだけだろう。需要と供給の相場ってものがあるもんだ。

 ドン・エリスを買って、DU3階新品ジャズCD売り場に行ったときに、「そういえばModeのヴォーカルで未発表の歌手のものがあったなぁ」と、ハッと思い立つ。誰だったかなぁと思うと、Laurie Allynだった。
 この作品があるかどうかを見ると、3月23日に発売になったModeのヴォーカルで、他の歌手のものはあるが、Laurie Allynのものだけがない。さすがにうるさ型のジャズリスナーが集うだけあって、あっという間に売り切れになったのだろう。さてどこに買いに行こうかと思案し、「そうだ秋葉原に行こう」とハッと思い立つ。

 そこでまず石丸電気に行ってみる。しかし石丸電気は午後8時で閉店であり、私が店に着いたときはちょうど閉店したばかりのときであった。午後8時で閉店というのは、CD屋の閉店時間としてはちょっと早いかなと思う。

 仕方がないのでタワーレコード秋葉原に行く。ここであれば午後10時まで営業しているので大丈夫である。タワーレコードであれば、一応スイングジャーナルに掲載されている程度の再発ジャズCDなら売っているし、かといってコアなジャズリスナーが大挙して押し寄せるという感じでもない。そういうわけなので、おそらくタワーレコードには売っているだろうと思っていた。
 果たしてタワーレコードに標記ローリー・アリンのCDは売っていた。Modeのヴォーカルの他の作品は紙ジャケだが、この作品だけはプラジャケである。しかしプラジャケであっても全く問題はないのでこれを買っていく。やれやれ買えてよかった。通常ジャズCDが発売早々売り切れると言うことはないのだが、ごくたまにあるので注意が必要である。

【3月29日】

Chuck Wayne / String Fever @DUお茶の水

 まさかこれに遭遇するとは思わなかった。3月28日にDUお茶の水でこの作品に遭遇したが、うっかり買うのを忘れてしまった。

 そういうわけで、3月29日とるものもとりあえずDUお茶の水店に駆けつけてジャズギター売り場を見る。まだ残っていた。即座に手中に収める。DUお茶の水店にはコアなジャズリスナーは多いのだが、スイングジャーナルなどのジャズジャーナリズムからこぼれた作品については疎そうである。現に売り場に置いてあるこの人の「ジャズ・ギタリスト」という作品は、全く売れる気配がない。なかなか渋い名作でしかも廃盤だから、あっという間に売れてもよさそうなものだが。まぁこの作品を買えたからどうでもいいや。

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2007年03月21日

最近の猟盤

【3月13日】
Sonny Clark / memorial album (xanadu)
Pedro Iturralde / with Hampton Hawse(blue note)

 この日久々にDUお茶の水に行ってみる。新入荷の棚にはどういうわけか、よくジャズ入門書に書いてあるようなprestige、riverside、contemporaryレーベルのCDが、帯紙付きでずらりと数十枚並んでいる。おそらく相当の枚数を所有していたジャズリスナーが、その蔵CDを一気に手放したのであろう。そのほとんどを私は所持していたので、特に食指は動かなかったが、一人のジャズリスナーが手放したとおぼしきジャズ入門書に書いてあるようなCDが帯紙付きで数十枚ずらりと並ぶことはめったにないことであり壮観であった。

 その壮観の中から、上記二枚を見つけてキープする。ソニー・クラークはアメリカでは知名度はいまいちだが日本のジャズファンの人口に膾炙しているピアニスト。memorial albumはその初期の作品である。xanaduのCDは最近めったに見かけない。かといって前橋withのように4000円位で売り付けるほど希少価値のあるというものではない。この作品は2100円で中古CDにしては若干高めではあるが、まぁいいかと思い買うことにする。
 近時ヨーロッパ系の清浄なジャズピアノを聞くことが多かったので、たまには1950年代の粘りがあってどす黒いピアノを聞くのも悪くないと思う。最近こういうピアノを弾く人が相対的に少なくなったと思う。

 また、同じく新入荷の棚に、Pedro Iturraldeの作品が陳列されているのを見かける。この人は知名度はいまいちだが、パコ・デ・ルシアと組んだフラメンコジャズの作品をいくつか残している。それらの作品でCD化されたものはあるが、市場に出回っているところを滅多に見たことがない。1100円なのでこれは買うことにする。

新入荷の棚に、メグ・マイルスの作品が置いてある。数年前、東芝EMIから、ジャズ喫茶メグのマスターである寺島靖国氏セレクションの女性ボーカル作品が何作か出され、その後廃盤となったが、このメグ・マイルスの作品が最も市場において見かけない作品である。めずらしい作品があるなぁと思いつつも、私は既にこれを持っているので放置する。焦点があっていないまなざしがなかなか魅力的なジャケットだが、その声は野太くてジャケットとのギャップが何とも言えない。

【3月19日】

Art Pepper / Late Show (xanadu)
Hoagy Carmichael / Hoagy sings Carmichael(difinitive records)

 この日スイングジャーナルを買いにディスクユニオンお茶の水店に行く。スイングジャーナルは毎月20日に発売されるジャズ専門誌であるが、ディスクユニオンだと大概19日に売っているので買いに行くのである。従ってCD漁りはそのついでである。

まず2階中古CD売り場に行ってみる。最初新入荷の棚をみるが、特に感心した品はなかった。そこで他の棚をぶらぶらと見てみる。Ike Quebec / Blue and Sentimentalという作品が前から気になっていたので、もし1000円以下くらいだったら買おうかなと思っていたところ、770円くらいで売っているので食指が動く。この人の"Bossa Nova Soul Samba"という作品を私は痛く気に入っていてしかも私の好きな"It's Alright with me"という曲が入っているので、いつか欲しいと思っていた。そこでこの日買うCD候補としてキープする。

 引き続きalto saxの棚を見る。私はArt Pepperが好きなので、Art Pepperの棚を見ると、"Late Show"が売っているのでこれを買うことにする。この作品は、今年の1月に買ったxanaduレーベルの"Early Show"と対をなす作品なので、見つけ次第買おうと思っていた。
 そこで先にキープしたIke Quebecであるが、この作品今買わないと今度いつ買えるかわからない、という切迫性のある作品ではないので、今回の購入はとりあえず見送り、Art Pepperを優先させることにする。

 中古CD売り場にはスイングジャーナルは売っていなかったので、Art Pepper / Late Showを1680円で買って新品CD売り場に向かう。

 新品CD売り場をぶらぶらしていると、"Hoagy sings Carmichael"が売っている。Hoagy Carmichaelは、"stardust"の作曲で有名な人であり、この作品は自作自演集である。この作品はもう長いこと廃盤となっていて殆ど市場では見かけない。しかし私は既にこの作品を持っていたので、「ああ、ホーギー・カーマイケルの自作自演が売っているな」と思って手にとった。
 ところがこの作品にはbonus albumとして、"the stardust road"という作品が収録されている。驚いたことに、そのアルバムには、ホーギー・カーマイケルの最高傑作である"stardust"の自作自演が収録されているのである。さすがに"stardust"の自作自演にお目にかかるのは初めてであり、これは買いであると思った。

帰宅後Art Pepper/Late Showを聴いてみる。相変わらず若き日のArt Pepperはヒラリフワリとまばゆいばかりのアドリブ演奏を切れ味鋭く展開する。若くないときのArt Pepperも、地に足のついた良い演奏をするのだが、アドリブ一発に賭けた危険な美意識が炸裂する若いArt Pepperの演奏は最高である。それは1曲目"Night in Tunisia"を聴いただけでよ〜くわかる。やはりこれを買って正解であった。

 ホーギー・カーマイケルの方はなかなか味わいのある歌唱である。Art PepperやJimmy Rowlesといった手錬が脇を固めていて、というか、そちらの方が主役を食いそうな勢いで、演奏している。ホーギーの歌はそれほどうまくはないが、とにもかくにもスターダストの自作自演を聴けるというのは貴重である。

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2007年03月11日

Franck Amsallem "Out a Day"

 3月3日にAmazon.comから、Franck Amsallem"Out a Day"を注文する。この作品は、Franck Amsallemの顔写真をあしらったジャケットのものは既に再発されていて、入手は困難ではない。しかし、今回私が注文したのは、1990年の初版CDである。このCDのジャケットは、Amsallemの顔をあしらったつまらないものではなく、レンガ造りの建物に、ピアノの鍵盤をかたどった三角形のマスクをかぶった貴婦人をあしらっているという、妙ではあるが趣のあるいいジャケット(こちら)である。
 いわゆる「廃盤掘り起こし本」では、こちらのジャケットでこの作品が紹介されている。そして。こちらのジャケットのこの作品はヤフオクで6000円台〜7000円台で取引されている。市場ではまず見ることはない。

 たまたまFranck Amsallemを検索していて、amazon.comを見たところ、この作品が1990年発売盤のジャケットで出ていた。しかも30ドルであり、ヤフオクの落札価格に比べるとまぁまぁ安いので、注文してみることにする。

 3月8日に帰宅すると外国から封筒が届いている。フランスからのもので差出人は"Amsallem"氏である。これは"Out a Day"のCDであろう。しかし1990年盤のジャケットじゃなくてAmsallemの顔写真ジャケットだったらいやだなと思いソワソワクネクネしながら開封するとちゃんと1990年盤のジャケットのそれが入っている。よかったよかった。プラジャケの後ろを見るとFranck Amsallem特製の付箋に"Thank you!"と書いてある。どうもamazon.comでは、Franck Amsallemが直接出品しているようである。う〜んサインも書いてくれればよかったのになぁと思いつつ、封筒におそらくAmsallemが直筆であて先とか差出人を書いてあるのでまぁいいやと思う。

 feedbackの欄をみると、結構日本人からと思しき注文が多い。不思議なことに、同一人物と思しき人からの複数回にわたる注文がある。ヤフオクのこの作品の出品を追っていくと、だいたいどういう目的であるかは察しがつく。
 ヤフオクで落札するのもそれはそれでいいが、その前にamazonなどで検索をかけると、ヤフオクでの落札や中古屋での廃盤CDセールで購入するよりもリーズナブルな価格で欲しいCDを購入することができる場合も結構ある。私はamazonで検索をかけて希少廃盤CDを結構多く取得している。

 早速作品を聴いてみる。さすがに1990年代ピアノらしく、きれいで繊細なピアノを弾く人である。ビル・エヴァンスとかキース・ジャレットの好きな人にはいいだろう。Amsallemの繊細かつ神経質なピアニズムがGary Peacockのワビ・サビ・ユーゲンを感じさせるベースとあいまって美的空間を演出している。なかなかの秀作であると思う。バラードではあくまで繊細に、ミディアムテンポの曲ではリズミックにと、ドラムスのBill Stuartがなかなかいい働きをしている。大雑把な印象としてはこんな感じか。

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2007年03月09日

2月に買ったCD

2月は忙しかったため、それほど頻繁にCD屋にいけたわけではない。それでも時折CD屋に行っては買い込んでいる。

【2月10日】

Mike Petrone Trio / A Lot Like Us (新品)
Brazilliance Vol.2 / Laurindo Almeida Bud Shank(中古)
@DU新宿ジャズ館

 この日久々にCDを見る暇が出来たので、DU新宿にCDを見に行く。まずは2階の中古フロアへ。例によって棚のCDを針の穴に糸を通すように入念に見ていくが、それほど欲しいという作品はない。

 ギターの棚に行くと、標記Brazillianceを見つけて欲しくなる。この作品のVol.1は数年前に買っていて、ボサノバのリズムに乗ってギターとテナーサックスのコラボレーションが心地よく流れていくのがなかなか気分がよかったので、Vol.2もいつか買ってやろうと思っていたところ、新品だと2000円以上して購入を躊躇していた。この日1600円位で中古盤を売っていたので、これ幸いと買っていく。Vol.1でも15曲入っているが、Vol.2には20曲入っているのでお買い得感がある。

 その後1階の新品フロアへ。最近は新品CDで幻のCDの再発があったりして、新品CDフロアも面白い。この日も標記Mike Petroneの作品がNormaから再発されているので買っていく。例の「廃盤掘り起こし本」による、1990年代以後の現代ジャズピアノ人気に乗じてNormaは「廃盤掘り起こし本」掲載作品の再発を企画して大当たりだったようだが、今回久々の廃盤掘り起こし本作品の復刻である。この作品、ヤフオクだと1万円近い値段で取引されることがあり、結構人気のある盤なのだろう。

Paris Match / Our Favorite Pop (新品)
@HMV新宿マイシティ店

 新宿マイシティでの他の買い物のついでにHMVを見ていく。邦楽CDをブラブラと見ていて、「そういえばパリスマッチの新譜なんか出ているかなぁ」とハッと思いついてParis Matchの棚を見ると、この作品を発見する。即座に購入を決断する。
 私はParis Matchの作品が好きで、そのアルバムを殆ど持っている。和製AORともいうべき洒落た曲想、ミズノマリのクールでホンワカとしたヴォーカルが好きである。この類の邦楽ミュージシャンは、いそうで実はなかなかいない。
 このOur Favorite Popsは、洋楽、特にソウルミュージックのカヴァー集である。Paris Matchには結構ソウルミュージックのカヴァーが多い。どす黒くて野太いソウルミュージックは、一見クールですかしたParis Matchとは対極にありそうだが、そこはParis Matchの秀逸な換骨脱胎でクールなAORに再構築してある。以後i-podにもぶち込んでへヴィーローテーションとして聴きまくっている。とにもかくにも2月に買ったCDを代表する1枚であろう。

【2月24日】

Robert Rook / Hymn for All
@ディスクユニオン新宿ジャズ館

 この日埼玉300kmブルベ出場を断念し、のびのびと過ごすためCDを見に行く。中古CDには特に惹かれるものはなかったので、新品CDをみるとこの作品が売っている。私はRobert Rookというオランダのピアニストを結構好きで、新作を心待ちにしていたところこの作品が出ていたので即座に購入する。
 インターネット販売のvento azul recordにもこの作品comming soonとなっていたのでここで買おうと思っていたのだが、待てど暮らせどcomming soon のままで一向にvento azul recordでの販売の気配がない。そうこうしているうちにディスクユニオンで販売していたので待ちきれずに買ってしまった。インターネット販売で珍しいCDを売るのもよいが、こういうCDは早く入荷した者勝ちである。

Little Beaver / Party Down
上原ひろみ / Time Control
@タワーレコード新宿店

この日の真のCD散策目的は、この2枚のCDを買うことである。先のParis Matchの"Our Favorite Pop"で、最も気に入ったのは、Little Beaverの"Party Down"のカヴァーである。そこでまずはLittle BeaverのParty Downというアルバムを探す。
 以前このアルバムをタワーレコード秋葉原店で探したところ置いていなかった。それゆえ、あまり期待せずにタワーレコード新宿店のソウルミュージックの売り場をぶらぶらすると、この作品ちゃんと売っている。同じタワーレコードでも店によって品揃えが随分違うもんだ。

 次にジャズCD売り場へ行く。上原ひろみのCDを買うこと以外何も考えていない。私はこの人のデビュー作である"Another Mind"を購入して以来、その脳天気に炸裂する激烈なピアニズムを非常に気に入ってる。脳天気ぶりが最も炸裂しているのは第一作目であり、作品を追うごとに何となくまとまってきて脳天気ぶりは徐々に影を潜めつつある。が、見方によってはそれがピアニストとしての成熟ととれないこともない。
 この作品はギターも入っていて、ややポップ的色彩のある作品となっている。真正ジャズリスナーだと、これはちょっとという感じなのだろうが、私みたいに節操のないジャズリスナーだと、様々な音楽のジャンルの垣根を飛び越えた自由自在なパフォーマンスを歓迎する。この作品、脳天気ぶりはやや影を潜めているが、垣根飛び越えぶりはなかなかのものである。

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2007年03月05日

CDリスト作り

 3月4日は極めて暖かく気候がよい。にもかかわらず朝方までジャズを聴いて飲んだくれていたので昼くらいに起床した。そのため自転車走行のタイミングを逸した。そこでこの日は家で引き続きのんびりすることにする。

 所持CD数も1000枚を超えると、さすがに所持しているかどうかうろ覚えのCDも出てくる。CD屋で、既に持っているCDを間違えて買わないように所持CDを把握しておく必要がある。そのため、エクセル習得の練習を兼ねて、ジャズCD所持リスト作りをしてみようと思う。

 ジャズCD所持リストといっても、1000枚を超えるであろうCDのリスト作りをするのだから、それほど楽な作業ではない。しかし、20年以上のジャズCD聴取歴の集大成と思えば、作業に楽しみを見出すことはできる。

 手始めに、ジャズピアニストのリストアップからはじめる。まずは我が最愛のピアニストであるビル・エバンスからリストアップする。私の所持するCD中、ビルエバンスのCDが突出して多い。まず100枚を超えるだろうなぁと思って整理をはじめる。

 20年前の学生のころは本当にビルエバンスをよく聴いた。また、そのころは、今のようにあらゆるジャズ作品がCD化されているわけではなく、徐々にCD化されていった時代であった。従って、例えば、リバーサイドレーベルの作品のうち、有名な作品(いわゆる4部作)は早々とCD化されていたが、それほど有名ではない作品、例えば"moonbeams"とか、"easy to love"とかはなかなかCD化されなかった。また、ビル・エヴァンスの作品の中には、CBSやWarnerBrothersなど、なかなかCD化されないレーベルの作品もあった。CBSには"Bill Evans Album"、Warner Brothersには"Affinity"や"Paris Concert"などの傑作があり、それらがCD化される日を指折り数えて待ったものであった。

 ビル・エヴァンスを聴きながらビル・エヴァンスの所持CDリストを作っていると、ついそういう思い出に浸ってしまう。よく大掃除とかしていると、昔の思い出の品が出てきて、掃除そっちのけで思い出に浸ることがよくある。そんなのりである。

 結局私の所持しているビルエヴァンスのCDの数はボックスものを除いても100枚位、ボックスものを入れると150枚近くは行くだろうということになった。あとこの日のところはバド・パウエルなどアルファベットの若い順に有名なピアニストを整理するにとどめておく。

 おそらく1000枚を超えるCDのリストアップはすぐには出来ないだろう。気長にのんびりと音楽を楽しみながら行うことにする。
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2007年02月12日

北海道での猟盤

北海道での思いでとして、ジャマイカ訪問のほかCD屋訪問もあり、ブログ用に書きとめておいたが、なかなかこれをアップする機会がなかったので、この際アップする。

【1月27日】
Victor Feldman / Suite Sixteen (Contemporary)
Les Modes / Mood in Scarlet (Dawn)
V.A. / Havana Jam II(CBS)
いずれも札幌フレッシュ・エアー

 1月27日札幌旅行中に狸小路をブラブラと散歩していると、狸小路6丁目にフレッシュ・エアーという中古屋を見かける。”ROCK”の他、”JAZZ”という文字も見かけるので反射的・衝動的にこの店を見てみたくなる。だがこのとき家内や子供と一緒にブラブラしていたので、とりあえずホテルに家内や子供と戻ってから改めてこの店に出かける。

 店に入ると圧倒的に中古LPが多い。LPレコードが商業的に発売されなくなって久しいのだが、依然としてLPの人気は高い。そういうわけでLPレコードの需要と供給の関係は供給側有利と思われる。近時CDの廉価化が進み、最近はジャズだと1000円CDも出てきている。そのような状況では中古CDの販売価格は低くならざるを得ず、中古CD販売は商業的には結構困難なのだろう。このような状況では、中古LP販売の方が収益性があるので、中古屋はどうしてもLPレコードの扱いを主とすることになると思われる。
 特に、ジャズLPの場合、「オリジナル版」と呼ばれる初回プレス版が希少価値を有し、かつオリジナル版と異なり分厚い音がするといって珍重されるため人気が高く、値段もまた高い。中古LPの場合、そうした高額人気範疇の商品があるため中古屋は商売が成り立つのだろう。
 中古CDの場合も、「紙ジャケット廃盤CD」「希少廃盤CD」「オリジナルデザインジャケットCD」(初版のジャケットのデザインのCD。CDは再発のたびにジャケットのデザインを変える場合があるので。)といった方向でそうした高額人気範疇の商品を作ろうとしているが、なかなかうまくいかないようである。

 それはさておき私はLPレコードには関心がないので早速ジャズCDのところでCDを眺める。ジャズCDの割合はパッとみた感じ全体のCDのうち25%あるかないか位であろう。さすがにディスクユニオンジャズ館のように、店全体の壁面をジャズCDが埋め尽くすという感じではなく、商店街の通常の店舗ほどの広さの壁面のごくわずかなスペースを取っているに過ぎない。しかし在庫のクオリティは低くないのでなかなか楽しめる。

 まずVictor Feldmanの上記作品が目に付く。Victor Feldmanは英国出身のピアニストで、ヴィヴラフォンもこなし、作曲編曲もこなすという多才な人だが逆に器用貧乏ともいえる。私はこの人の、”The Arrival of Victor Feldman”という中古CD作品を15年ほど前に探しまくっていたのだが見つからず、CD屋でこの人の作品といえば、上記Suite Sixteenばかりであった。そのためThe Arrival of Victor FeldmanをCDで買ってからこのSuite Sixteenを買おうと思っていた。幸いにしてThe Arrival of Victor Feldmanはその後輸入盤でも国内盤でも再発され、今ではこれは入手しやすい盤となっているが、今度はSuite Sixteenを市場で見かけなくなった。そういうわけでSuite Sixteenを見かけたので購入しておく。

 次に目に付いたのが、Les Modes というグループの、Mood in Scarletという作品である。チャーリー・ラウズらで構成されたクインテットである。ギルド・マホーネスというなかなか渋い玄人好みのピアニストの参加が光る。このクインテットの作品のうち、"Les Jazz Modes"という作品は既に所有していたので、これ幸いとばかりに2作目も買うことにする。この作品は、もともとDawnというレーベルから出ていたが、最近はBlue Moonというスペインの会社から再発されている。しかしこのBlue Moonの再発物、最近新品で売っているのか売っていないのかよくわからない。そういうわけで、中古で見かけたときが即買いどきである。

 最後に目に付いたのが、"Havana Jams"という作品である。ハバナでウェザーレポートらの豪華メンバーが出演したライブを収録した豪華アルバムである。それが2枚組みで1200円で売っていたので、わけを店主に聞くと、2枚目に大き目の傷があるからだという。確かに検盤すると、2枚目に大きな傷がついている。しかし。幸いなことにそれは無音部についた傷なので、再生には影響はなさそうである。しかも、この作品、紙ジャケットであり、珍しい装丁である。ディスクユニオンお茶の水ジャズ館の廃盤中古紙ジャケセールあたりで5千円位で売っているやつである。そういうわけでこちらも買うことにする。

フレッシュ・エアーは決してジャズ専門の中古CD屋というわけではなく、決して在庫は多いというわけではないが、その在庫にはなかなか括目すべきものがあり、満足な買い物をすることができた。

【1月28日】
Mahalia Jackson / Newport 1958 (CBS)
札幌Records Records

 ジャマイカというジャズ喫茶を訪問して、札幌にジャズの中古CDが売っているところはどこかと聞くと、上記フレッシュエアーの他、上記レコーズレコーズがあるというので、1月28日レコーズレコーズに行ってみる。

 レコードマップを手にレコーズレコーズの場所を探す。レコードマップは、学陽書房から毎年出ている全国のレコード/CD屋を収録した本である。私みたいな中古CD中毒の人間には欠かせない本である。
 
レコーズレコーズの本店と思しき店にまず行ってみると、開店前である。そこで、その支店と思しき4プラ店に行ってみる。レコードマップを見ると4プラの7階にあるというので、7階に行ってみると、小さな専門店が軒を連ね、そこを丹念に探したのだが、レコーズレコーズが存在する気配が全く見られない。私の手持ちのレコードマップは2003年度のやつなので、2003年当時は存在していても現在は消滅または移転したのかもしれない。
 
 レコーズレコーズの開店時間にはまだ間があったので、札幌タワーレコードに寄る。タワーレコードがアメリカから日本に進出したのが1980年。そしてタワーレコード日本1号店が札幌店であることは、意外に知られていないと思う。タワーレコードには新品輸入盤の購入ではいつもお世話になっているので、タワーレコードに敬意を表し、日本第一号店を訪問する。すると、中身はどこにでもあるタワーレコードと同じで、別に一号店だからといって特に変わったところはない。当然であろう。そういうわけで、店内をしばらくぶらぶらしてレコーズレコーズへと向かう。

 午前11時すぎにレコーズレコーズにつき、ジャズCDの棚をみる。ここもそれほどジャズCDが多いとか、ジャズCDを専門としているというわけではない。どこにでもある普通の中古CD屋である。そして、中古CDよりも中古レコードの割合が多そうである。
上に述べたように、中古CDはそれほど高く売れるものではなく、収益性の観点からすると、中古レコードの方が高いからだろう。

 そういうわけで、ジャズCDの棚をすみからすみまでみるが、これといってお金をだして欲しいという作品は売っていなかった。念のため他のジャンルのCDもブラブラと見ると、R&Bの作品のところに表記作品が1100円で売っていた。これもディスクユニオンお茶の水ジャズ館の廃盤紙ジャケCDセールで3000円くらいで売っている類のものである。マヘリア・ジャクソンの作品は適価のものがあれば欲しいと思っていたのでこれ幸いとこれを購入することにする。

 札幌まできて中古CDを漁るとは、また子供に「北海道まで来てそれかよ」といわれそうである。しかし、私は、訪れた土地の中古CD屋における作品との一期一会が、その土地を訪れる楽しみの一つと考えている。その意味からすると、札幌CD屋探索は結構楽しいものであった。これからも中古CD屋がありそうなところに旅行するときは事前にチェックして中古CD漁りをしてみたいものである。

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2007年01月29日

ジャマイカ訪問

 ジャマイカ訪問といっても、別に中米のジャマイカに行ったわけではない。創業1961年、在庫レコード・CDは2万枚という札幌屈指の老舗ジャズ喫茶・JAMAICAである。1月26日〜28日まで私は札幌に行っていた。そこでの目的は札幌近辺の観光という建前であった。しかし、大都市に出かけるとき、私は必ず地元の中古ジャズCD屋とジャズ喫茶をまわることにしている。
 最近私に似て生意気になってきた小学校5年生の子供は、「北海道まで来てそれかよ」と憎まれ口をたたくのであるが、私に言わせれば、「北海道まで来てそれ」なのではなく、「北海道にきたからこそそれ」なのである。私の子供もまだ修行が足りない。小学校5年生だから止むを得ないか。

 私はこのジャマイカを、歌の手帖別冊「JAZZ MASTERS MAGAGINE」(2003年)(以下「ジャズマガジン」という。)という本の、「ジャズ喫茶風土記」という記事で知った。そこには1961年に開業し、ジャズ喫茶全盛期には富樫雅彦、カルーセル麻紀が出入りし、店が終わったあとマスターが客を引き連れてのみに行ったという逸話が書いてあり、非常に興味深いジャズ喫茶であると知った。そこで札幌に出かける際にはここに是非立ち寄ろうと思っていた。
 昨年11月に札幌に出かけたときは私の家内の祖父の葬儀だったためジャズ喫茶どころではなかったのだが、今回は札幌近辺の観光という建前なので、堂々とジャマイカに行ける。ジャマイカの話を家内にしたところ、家内も関心を持ったので、本来ジャズ喫茶の何たるカをよく知らない家内は連れて行かない方針であったが、逆にジャズ喫茶とはどんなところか一度家内に勉強させるのもよいかと思いジャマイカに家内とともに赴く。

 我々の宿泊していたホテルから狸小路をテクテクと歩いて10分もしないうちに、狸小路5丁目にある4階建てのジャマイカが入居しているビルにたどり着く。ジャマイカは4階に入居している。エレベーターで4階に上がると、そのビルの最奥部にジャマイカが位置していた。
 黒いドアを開けるとジャズが大音響でかかっている。照明は暗くもなく明るくもなくジャズ喫茶として極めて妥当である。壁には一面にジャズレコードとCDが陳列されている。カウンター席とテーブル席(一つのテーブルに数名座れるようになっている)がある。客は誰もいない。
 若いママさんが「いらっしゃいませ」と歯切れのよい応対をしてくれる。我々はカウンターに座り、私はラフロイグをストレートで、家内はグラスワインを頼む。最初家内はジャズ喫茶の雰囲気に影響されたか角を頼んだのだが、家内は普段ウィスキーなんか飲んだことがないので、「う〜んこれはちょっとおくさんには無理じゃないか」と、ワインにしたのである。

 そのうち奥の方から若くないママさんが出てくる。ジャズマガジンの記事によれば、この若くないママさんは若いママさんの母親である。ジャズマガジンの記事には、若いママさんと若くないママさんが並んで映った写真があるが、そうしてみると何となく親子という感じである。客が一人入ってきてカウンターに座ると若いママさんがその客の相手をする。どうも常連客のようだ。
 その客、ウィスキーのロックを注文し、「ユリイカ」という雑誌を広げ、その日買ったCDを広げて若いママさんとジャズの話をしている。買ったCDを見ると、どうもPrestigeレーベルの15年くらい前に再発された1960年代のジャズCDを中古で買ったようである。フィリー・ジョー・ジョーンズの「ブルース・フォー・ドラキュラ」という作品が目に入る。で、「俺、ナット・キング・コールとジョニー・ハートマンの違いがわからなくてねぇ」「ベティ・ローシェって人好きなんだよねぇ。テイク・ジ・エイトレインがいいんだよぉ」と誇らしげに話している。購入CDと会話レベルからして、ジャズ初級者を卒業するかしないかという感じである。ジャズを聴いている自分に酔っている私、というところであろうか。

 その後また単独で客が入ってくる。オッサンである。こちらの客は、奥のテーブル席に座り、静かにコーヒーを注文するやいなや、目を閉じて大音響のジャズに没頭する。コーヒー、単独、瞑想。これが由緒正しいジャズ喫茶での態度というものである。
 本来ジャズ喫茶はジャズ鑑賞の場である。かつてジャズレコードの値段は高く、しかもジャズを聴くためのオーディオ設備は大衆にとっては入手困難であった。にもかかわらずジャズの人気は高かった。そうした状況の下、ジャズを心行くまで堪能できる箇所はジャズ喫茶をおいて他になかった。そういうわけで、ジャズ喫茶に通う人たちは、別にそこで会話なんかすることが目的ではなく、コーヒー一杯でひたすら好きなジャズを浴びるほど聴くことを目的としてジャズ喫茶に通うわけである。ジャズ喫茶では会話なんかせずにジャズを聴くのだから、必然的に一人で行く。ジャズ喫茶では飲み物が目的ではないから飲み物はコーヒーでよい。ジャズ喫茶では集中してジャズを聴くことが目的だからジャズ喫茶では修験僧のごとく瞑想してジャズを聴く。こうしてジャズ喫茶の正統な態度としては、コーヒー、単独、瞑想、ということになる。
 しばらくしてまた客が単独で入ってくる。やはりオッサンである。この客もテーブル席に陣取り、コーヒーを頼むや否や、目を閉じて瞑想体勢に入る。この人もどうやらコーヒー・単独・瞑想という正統派ジャズ喫茶顧客のようだ。そして、テーブル席は、ジャズ修験僧がどっしりと瞑想にふけるジャズ道場と化している。

 こうしてみると、私の来店時点における客層としては、カウンター席=アルコール=ママさんとの会話=ジャズ初心者の語らいの場、テーブル席=コーヒー=単独・瞑想=ジャズ修験僧のジャズ道場という構図が成り立っている。しかしながら、客層は異なれども、JBLパラゴンから発する大音響のジャズを平等に楽しんでいる。何というか、ジャズの下の平等という感じである。日本国憲法の「法の下の平等」よりも、何となくおおらかでゆったりして楽しめる感じである。

 ころあいを見て、若くないほうのママさんに色々話を聞いてみる。「ジャズマガジン」の記事をみてこのお店に来ましたと私が言うと、「え〜とどの取材でしたかねぇ」と言う。どうもジャズマガジンの取材を覚えていないようである。そこで、「ママさんと、お嬢さんが並んで撮影した写真が載っている雑誌ですよ」というと、「ああ、あの本のことですね」と思い出した様子。ジャズマガジンは2,3年前に出た本なので、月日が経つにつれ取材があったことを忘れてしまったのだろうか。それとも、あまりにも色々な取材があるので、いちいち取材なんか覚えていられないのだろうか。それはそれとして、若い方のママさんははきはきとした語り口調なのだが、若くないほうのママさんは、何となくけだるくおっとりとした口調であり、対照的で面白い。
 「このお店では、昔トイレに入った後出てきたお客さんが裸で踊ったりしたこともあったんでしょ」と、ジャズマガジンに載っていたネタを振ると、若くない方のママさん、笑いながら「そういうこともありました。しかし最近はそういう人も減りましたねぇ」という。しかし、「そういう人が減った」ということからすると、最近でも少しは裸で踊る人もいるのか???? まぁおそらく裸で踊る人はいないだろうが、裸で踊るようなことをするインパクトのある人は少なくなった、ということであろう。
 
 若くないママさんによると、40年ほど前は全盛期で相当お客さんがきたという。ジャズマガジンに書いてある通り、床に新聞紙を敷いてお客さんがジャズを聴いていたらしい。この店、昔は修行僧型ジャズリスナーを対象としていたため、当然会話禁止で大音響ジャズを流すというジャズ道場であった。しかし、最近は会話もOKにしたとのことである。昔ながらの瞑想型の修行僧的ジャズリスナーや、朝から晩までジャズを聴いているような熱狂的ジャズリスナーは滅亡しつつあるが、それでも最近若い人が結構ジャズを聴くようになっているという。

 仕事とはいえ一日中ジャズを聴いていて嫌になりませんかと聴くと、「確かに休みの日にはジャズは聴きませんが(笑)」と断った上で、「でも、やっぱり私はジャズが好きでこの店をやっていますから、店にいてジャズを聴いていて嫌だと思ったことはありませんね」と答えてくれる。さすがジャズ喫茶46年、骨太な筋の通った答えである。

 そうこうしているうちに、カウンターのジャズ初心者は帰り、今度はまた別の人が来る。スイングジャーナルを手にしてうれしそうにその客がカウンターに座ると、新旧ママさんで歓待する。この人も先ほどの客と同様アルコールを頼む。話を聴いているとこの人ジャズ初心者っぽい。やはりこの場では、カウンター=ジャズ初心者、テーブル席=ジャズ道場と分割されているようだ。しかし、それはおそらくたまたまその場がそうなっただけで、おそらく店全体がジャズ修験僧ばかりのこともあれば、店全体がジャズ初心者ばかりということもあり、その日によって客層は違うのであろう。
 
 かつて数十年前、ジャズ喫茶最盛期のころは、ジャズ喫茶はまさにジャズ道場であり、ジャズ修験僧であふれていたはずである。しかし今となっては、そうしたジャズ修験僧は減少の一途をたどり天然記念物に等しい存在となっている。しかもジャズ修験僧は、コーヒー一杯で粘るので、ジャズ修験僧がジャズ喫茶に落としていく金は少ない。もはやジャズ修験僧だけを相手にしていたのではジャズ喫茶は営業にならないのだろう。そこで、ジャズ喫茶は収益性の高いアルコールを出し、ジャズ修験僧のみならず、幅広い客層を対象としなければならない。これも資本主義下においてジャズ喫茶が生き残るための時代の趨勢というものであろう。
 しかしながら、それでも、ジャマイカの大音響のジャズに、「うちの売りはジャズです」という矜持を未だ感じる。誰が来ようがジャズ喫茶の基本はジャズを聴いてもらうことである以上、仮に会話までは譲歩しても、ジャズを大音響で流すことはジャズ喫茶がジャズ喫茶である以上当然である。ジャズ喫茶においてはスターバックスあたりと違い、ジャズは会話のBGMではない。ジャズはジャズ喫茶における立派な商品なのである。若くないママさんの、「昔はうちでは話は出来ませんでしたが、最近は話をできるようにしました。しかしうちは大き目の音でジャズを流しています」との話も、そうしたジャズ喫茶としての矜持の現れであろう。

 そんなわけで私は札幌の老舗ジャズ喫茶ジャマイカを非常に堪能することができた。しかし、それは私がジャズ喫茶のジャズ喫茶たるゆえんとか、ジャズ喫茶の楽しみ方を知っていたからであり、後で家内に聞くと、家内は少し退屈していたとのことであった。今度ジャマイカに行くことがあれば、当然私ひとりで行って修験僧と化す所存である。

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2007年01月25日

最近買ったCD

【1月19日】

Guido Manusari / So That (Splasc(h))
Paolo Di Sabatino / Threeo (Hallway Record)
いずれもVento Azul Record

 1月23日にリヤドからの出張から帰宅すると、上記2枚のCDがVento Azul Recordから届いている。1月17日にVento Azul Recordから上記2枚のCDを発送した旨のメールが来ていたので、おそらく1月19日に到着したのだろう。

 このVento Azul Recordは、インターネット通信販売のジャズCD専門のCD・レコード屋である。この店、ディスクユニオンあたりではとても置いていないような希少廃盤CDをどこからともなく仕入れてきては販売している。
 ジャズ批評133号に掲載されているこの店の宣伝をみると、店主は外資系会社に勤めていたがその会社の撤退に伴いフリーのジャズCD屋をはじめ、音楽関係に知り合いはいないことから海外のディストリビューターやアーティストと直接取引して現在に至るというようである。
 おそらく店主は外資系会社勤務中堪能な英語を習得したのだろうから海外のディストリビューターやアーティストと店主とのコミュニケーションにはさほど困難はないと思われる。それにしても店主が頼りもなく自ら一から販路を確立していくには相当の努力と根気が必要であろう。そして、趣味ではなく商売として通用する音楽を探索せねばならないので、「耳」が便りであることが大前提である。そうやって築いた入荷ルートから、目を疑う、というより、耳を疑うような希少・優良CDを仕入れる。

 これは無店舗型のインターネット販売だからできることかもしれない。この店が扱っているようなマニアックなCDは、購入層が一部熱狂的なジャズファンに限定されるし、この手のCDのプレス数が水物だったり限定されていたりしている。そのため必ずしも安定した売り上げがあるというわけではないだろう。もし店舗型CD屋だったら、店の準備・維持の費用と手間があり、なかなかそういったリスキーなCD販売には手を出しにくいと思う。

 上記2枚のCDはかつて相当珍しい作品であった。特に、Guido Manusardi / So Thatは、廃盤になって久しく、ディスクユニオンの廃盤CDセールだと、6000円以上の値段がつく。それでも買っていく人がいるのだから、このCD相当欲しい人がいるのだろう。そのCDが新品で売られるというのだからこれは買うしかないであろう。
 Guido Manusardiの作品では、"The Woodpecker"という作品を買って持っている。最近のイタリアのピアニストによくみられるように、音が美しくかつよくスイングする気分のいいピアノを弾く人である。また、廃盤セールで6000円以上する希少作品である点も購買意欲をかきたてた。
 Paolo Sabatino / Threeo も是非購入したい作品であった。このPaolo Sabatinoという人の作品では、"Paolo Di Sabatino"という作品(これも最近店頭では見なくなった。)を持っていて、この人の音色が美しいながらもタッチが強靭であり、かつたたみかけるような盛り上がりを見せるピアノが好きであったため、この人の他の作品を聴きたいと思っていたところ、上記作品が寺島靖国「JAZZ ピアノ・トリオ名盤500」で紹介されていたため、これを欲しいと思っていたのである。

 そして、何気なくVento Azul RecordのHPを見たところ、上記2作品とも販売されていたので思わず我が目を疑ったがやはりちゃんと上記2作品が販売されていることが確認されたので、「我が目よ疑ってすまん」と謝罪した上で上記2作品を買うことにしたのである。

 中古CD屋で猟盤する場合と異なり、ネットでの販売は臭いジャズ親父に横から手を出されたりすることなく、マイペースでのんびりとインターネットを見ながら購入できるのはよい。しかしながら、注文した商品を手に取るまで若干時間がかかるのがじれったい。だがそうはいってもVento Azul Recordは、あっと驚く品揃えがあるので、若干時間がかかってもまぁいいか、と思う。

 上記2作品、早速i-pod nanoにインストールした。当分の間ことあるごとに聴くことになろう。また、このVento Azul Record、買ったCDのディスクレビューを送るとそれをHPに掲載してくれた上次回CDを買う際200円割引してくれるらしい。ディスクレビューでもしてみるかな。

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2007年01月14日

最近の猟盤等

【1月7日】
Terje Gewelt with Christian Jacob / Hope (Resonant Music)(中古)
Vito Musso / Loaded (Savoy) (中古)
Bobby Tucker / Too Tough (Jamie)(中古)
いずれもディスクユニオンお茶の水ジャズ館

 この日ディスクユニオンお茶の水ジャズ館2階中古CD売り場での本年初の猟盤を行う。相変わらずオヤジが多い。私がいなかったら平均年齢55歳を軽く超えるであろう。ジャズは年寄りの音楽ではないはずなのだが、こと中古CD屋に出入りするような、マニアックで、時として「垣根のあちら側に行った人」のような層にオヤジが多いということか。この日結構入れ替わり立ち替わり人が売り場に出入りするが皆オヤジばかり。ごくたまに若い人が来る程度である。
 
 まずは新入荷CDの棚を見る。するとBobby Tucker / Too Toughが1800円で売っている。以前にも縷々述べているように、この作品は1988年ころにセンチュリーレコードという会社から出た「Gコレクション」シリーズの一環として出された。このシリーズ、およそCD化されたのが奇跡的と思われるマイナーな作品ばかりを出している。現在このシリーズは廃盤となっている。その中で復刻されたものもいくつかあるが、この作品を含む殆どのものは希少廃盤のままである。最近は中古廃盤CDセールの目玉商品というと、いわゆる「廃盤掘り起こし本」に掲載されている輸入盤が主なものになるが、一昔前の中古廃盤CDセール(そして現在でも)では、「Gコレクション」の、本作品などは目玉商品となり、5000円程度の値段がついても不思議ではない。そうした作品が1800円で売られている。私に言わせれば破格の値段である。「シンジラレナーイ」と思いつつも、当然のことながら見つけた瞬間キープする。

 中古廃盤CDセールの目玉商品で思い出したが、かつて中古廃盤CDセールの目玉となっていたのが、「Mode」というレーベルのCDである。このレーベルのCD、1990年ころに国内盤がVapから発売されて以来再発されておらず、ついこの間まで廃盤のままであった。そのためこのレーベルの国内盤のCDは中古廃盤CDセールのたびに高値がつき、ヤフオクでも高値で落札されていた。例えば、Modeレーベルの”Joanne Grauer Trio”という女流ピアニストの作品は、ヤフオクで1万円を超える価格で落札されたことがある。しかし、この日ピアノの棚に陳列されていたJoanne Grauer Trioの国内盤の価格は1600円である。近時、「Mode」レーベルのCDが紙ジャケで再発されることが決まったので、希少性が失われたからであろう。

 “Too Tough”である程度おなかいっぱいになったので、後は適当に棚をブラブラと見回す。前橋のWithで4300円位で売っていたバド・パウエルのザナドゥ盤が1600円で売っている。まぁこの盤の相場としてはこんなものであろう。決して4300円も値段がつく盤ではないと思う。1600円でも、「もう一声」という気がする。店の評価と客の評価は微妙に違うものだ。

 この日Blue NoteのCDセールをやっていて、Blue NoteのCDが目白押しに並んでいる。定価1500円の新古品が1200円で販売されていた。在庫一掃という趣旨か。ジャズ初心者はこういう機会に名盤を安くゲットしてほしいものである。私はこのときは特に欲しいBlue NoteのCDはなかったし、既に所持しているCDも結構あったので食指は動かなかった。店に陳列されているBlue NoteのCDを見ては、「あれも持っている、これも持っている」とチェックし、結局「ジャズを聴き始めてから20年、俺も随分Blue NoteのCDを持つに至ったな。」と妙な感慨を持っただけ。

 ベースのCDの売り場を見ると、Terje Gewalt with Christian Jacob / Hopeが1400円で販売されているのを見つける。このCDが以前ディスクユニオン新宿店でかかっていて、味のあるジャケットと、Christian Jacobの清浄なピアノにひかれ、新品で買おうかどうしようか散々迷った挙句、そのときは2500円前後の値段のため買うのをあきらめた。そのCDが、今般1400円で売っているのである。ジャズCDは原則として1500円程度で買うものという信条を持っている私は、この機を見逃すわけには行かない。これはなかなかコストパフォーマンスの良い買い物だと思う。

 これでおなかいっぱいと思いきや、Vido Musso / Loadedが、定価1500円のところ1200円で販売されている。これは、寺島靖国「辛口!JAZZ名盤1001」で紹介されていた盤であり、最近トンとお目にかからなかった盤であったため興味を持ち、買うことにする。SavoyレーベルのCDは、10年ほど前に大挙してCD化されたものであった(その中には、相当マニアックな作品もあった)が、最近廃盤となったものが多い。この作品も油断していると廃盤・幻化するマニアックな作品と思われるので今のうちに購入しておくことにする。

 この日はとりあえずこれだけ買っておけばもうおなかいっぱいである。当分ジャズCDは買わなくてもいいであろう。この日はもう買い物はしない。しかし念のため新品CDのフロアへ立ち寄る。特にこれは欲しいというCDはなかった。しかし、この日Sue Raney “All by Myself”が1650円で再発されているのを見て驚く。このCD、Sue Raneyが入浴しているジャケットが秀逸で、「お風呂のレイニー」と呼ばれている。しかしこの盤、1990年ころCD化されて以来廃盤となり、中古市場で殆ど目にすることはなかった。私は以前安からぬ価格でヤフオクでこの盤を落札したのでこれを買う必要を感じなかった。しかし、この盤の再発を心待ちにしている人は結構多いのではないかと思う。

 この日は新宿にも遠征に行く予定であったが、お茶の水の買い物だけで十分なため、おとなしく帰宅することにする。

【1月13日】

 この日ディスクユニオンお茶の水ジャズ館、及びディスクユニオン新宿ジャズ館を回ったが、中古、新品、ともにこれは欲しいというときめきを感じる品がなかったのでCD購入を見送る。何しろお金は大切だし、最近CDも随分増えて昔みたいにあれもこれも欲しいという感じではなくなったので、どうしてもこれは欲しいというときめきを感じるものでないとCDを買う気はしないのである。しかも、この日の主たる目的はi-podの購入にあったので、CD購入はどうでもよかったのである。しかし、そうはいっても中古CD屋でジャズCDをためつすがめつするのは、それはそれで楽しいので、店の陳列棚は隅から隅まで手を抜かずに見るのは当然である。

 この日ビックカメラ新宿西口店でi-podを買う。今週末からのリヤド出張の際に使用するからである。
 
 私は出張時には従来ジャズCDを10枚位持参していた。私はCDをプラケースではなく、フラッシュディスクランチというところが出しているCDソフトケースで保管しているため、ジャズCDを10枚位持参しても大した荷物にはならない。 しかしながら、それでも一応CDが荷物としてかさばるし、出張中にCDが紛失したりCDに傷がついたりするのが嫌なので、今度出張するときはi-podに収録して持参しようと考えていたのである。そこに、今年になってリヤド出張の話が出てきたのでi-podにジャズCDを収録し、飛行機の中でジャズCDを聴きまくるためにどうしてもi-podが必要となったのである。
 また、i-podに音楽を収録しておけば、ローラー台トレーニング向けの音楽をi-podに収録しておいて、それを聞きながらローラー台トレーニングをできる。そういうわけで、今回i-pod購入に絶好のタイミングを得たのである。

 今回i-pod namoというタイプのi-podを購入する。無論通常のi-podの方が圧倒的に収録曲数が多いため、通常のi-podを購入することも考えたのだが、i-pod namoの方が小型・軽量で持ち運びやトレーニング時の使用に向いていること、i-pod namoでも収録曲数は出張やトレーニング程度に使うのであれば十分であること、i-pod namoの方が再生時間が長いことから、i-pod namoにしたのである。

 帰宅してi-pod namoの使用説明書をみたところ、色々と機能がついていそうだが、慣れるまでちょいと面倒くさそうである。とりあえず出張中聞いてみたいジャズCDをi-tuneにぶち込んでおき、後で適宜取捨選択してi-podに入れることにしよう。出張中飛行機でどの曲を聴こうかなとあれこれ考えるのは面倒くさそうだが楽しそうな作業ではある。

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2007年01月06日

年末年始の猟盤(後編)

【2006年12月31日】(つづき)

 ディスクユニオンお茶の水を後にすると次にディスクユニオン吉祥寺ジャズ&クラシック館に行くために吉祥寺に向かう。吉祥寺は数ヶ月ぶりである。
 ここはかつていくつかのジャズ喫茶があったが、最近店を閉めたジャズ喫茶は多い。ジャズCDの店もディスクユニオンくらいだろうか。あとレコファンとかタワーレコードとかもあるが、ジャズCDを手広く置いているという感じではない。かつて吉祥寺駅にあった松和書店の店主が書店をやめて開業した「ディスク松和」という店があるが、常連の溜まり場という感じで極めて入りにくく魅力を感じない。
 
 おそらくジャズという音楽自体は依然として魅力をもち人気があるのだろう。しかし、昔はジャズの街からジャズ喫茶やジャズCD屋という固定店舗の形で情報交換・CD販売がされてきたところ、最近はインターネットでの情報交換や通信販売が発達してきたので、ジャズの情報発信のためには、あえてジャズに関する固定店舗の集まりであるジャズの街という形を取らなくてもよくなったのだろう。かつてジャズ喫茶が軒を並べたジャズの街としての吉祥寺の役割は歴史的なものになりつつあるのだろうか。

 それはさておきディスクユニオン吉祥寺ジャズ&クラシック館でのラストディバーゲン。店はオヤジ満載で熱気ムンムン。お茶の水のオヤジ達より年齢層も熱意も高い。棚を眺めながらニヤニヤと笑みを浮かべ、時折ひとりごつ、あちら側の人としか思えないオヤジがふらふらして何かやばい。私が凝視している棚の部分に手を伸ばしてくる行儀の悪く口の臭いオヤジもおり、そいつに私が見ているところに侵入されないようにガードする。ジャズオヤジにはまともな人もいるのだろうが、先に述べたようなのがいるのでジャズオヤジにはあまりよい印象を持っていない。
 
 このラストディバーゲン、いまいちコンセプトがわからない。CDを何十枚か箱に入れて、それに適当なタイトルをつけて(例えば、R&Bサックス特集とか、廃盤特集とか、ピアノトリオ特集とかのような。)まとめて売り出していますという感じである。「廃盤CD特集、国内激レアCD400枚!!」みたいなインパクトがない。当然品揃えにもインパクトがない。

 そんな中、一枚だけ目に留まったのが、”Marian McPartland Plays Music of Leonard Bernstein”(Time)である。Marian McPartlandは英国出身のピアニストで、女流ピアニストの草分けであり、上品なプレイを身上とするという印象を持っている。
 ”At Hickory House” ”At London House”及び ”At Storyville”の3部作を持っておけばとりあえずいいかなと思いつつ、それ以外の作品にも密かに関心があって何枚かこの人の作品を私は所持している。しかし私が関心のあるこの人の作品は1960年代位までのものである。この人Concordというレーベルから最近随分作品を出しているが、こちらのレーベルの作品には私は殆ど関心を持たない。ちなみにこの人Concordから、ジャズ版「徹子の部屋」みたいな、ジャズピアニストとの対談を吹き込んだCDをいくつか出している。
 
 Timeというと、ブッカー・リトルとか、ソニー・クラークとか、ケニー・ドーハムとか、スタンリー・タレンタインといった、ハードバップ、ないし、どジャズといった、濃いぃジャズのレーベルという印象だったので、この英国出身の女王陛下の高貴なピアノがTimeというレーベルにも残されていたかといまさらながらに驚いた。
 
 そういうわけで、このCDが目に止まった瞬間、これを手中に収める。まだCDが3200円だった時代に発売されたものなのでもう20年近く前に再発されたものであろう。後でアマゾンで検索したが現在販売している気配が全くない。これからも再発される可能性はゼロに近いだろう。値段は1800円。廃盤CDにしてはまぁまぁか。私の関心にマッチした国内希少廃盤CDをリーズナブルな値段で取得するという観点からすると良い買い物だったと思う。

 上記マリアン・マクパートランドの作品を取得しておなかいっぱいになったので、後は適当に店の中をブラブラと見てこの作品を買い、吉祥寺を後にする。2006年最後のCD猟盤を、地味ながら滋味ある作品で締めることができてうれしいものである。

【2007年1月2日】

 2007年1月1日から故郷である群馬県高崎市に帰省している。1月2日には高崎市を自転車でぶらぶらした後高崎問屋町駅に自転車を停めて群馬県前橋市に電車で向かう。
 
 前橋市には、Withという、店主が一人でやっている小さな中古CD屋がある。ジャズの品ぞろえは少ないのだが、群馬県では数少ない中古CD屋であるので、帰省のたびに一度は寄ってもいいかなと思う店である。
 こうした小さめのCD屋の場合、家=店みたいなものであり、店を開けても閉めても同じようなものだから、どうせなら店を開けたほうが客も来るしいいんじゃないかと店主は思っているので、1月2日なら多分店を開けているだろう、と私は勝手に推測していたところ、その推測が当たっているかどうかは別として私の予想通り店は開いていた。ここを訪れるのは昨年夏に帰省したとき以来である。

 私が訪れたときに先客がいたが、CDを買ってすぐにいなくなったので、店の客は私だけである。ジャズCDは棚の下のほうにあるので、私は座り込んでジャズCDを漁る。店にはマイルス・ディヴィスの”So What”(アルバム「Kind of Blue」より。)及び”Stella by Starlight”(アルバム「My Funny Valentine」より。)がBGMとしてかかっている。先日この店を訪れたときもジャズがかかっていた。店においてあるCDはロックが多いが、店主はジャズが好きなのだろう。一定の売り上げがあれば、一日中好きなジャズを聴いていられる中古CD屋の店主というのも余生を送る上ではいいかもしれない。
 
 ザナドゥレーベルのバド・パウエルのCDの値札が、1300円からなぜか4000円台に修正されている。確かにザナドゥレーベルは今廃盤になっているが、血眼になって猟盤するという作品はなく、見つけたら買ってもいいかなという作品が多いので、これほどの値段で買う人いるかなぁと若干首をかしげる。まぁ店には店のポリシーがあって値段を付けているのだろうが、それが需要とマッチしなかった場合には悲劇である。
 
 同じザナドゥレーベルのCDでArt Pepper / Early Show (Xanadu)(中古)を今回買うことにする。Art Pepperは好きなミュージシャンで所持CDも多く、ザナドゥレーベルのものは廃盤でそんなにめったにお目にかかるというものでもないからである。こちらは1300円である。
 
 Withの店主が座っているあたりにCDが山積みになっていて、その中には結構魅力的と思われるジャズCDが山積みになっている。CDの棚よりもむしろ店員のそばの方に魅力的な中古CDがあるのは、東京だろうが前橋だろうが変わりのない中古CD屋における普遍的な原理であろうか。

 Withを出て前橋駅に戻る。そういえばHorace Parlan “Us Three”を買おうと思っていたが、最近この作品、中古でも新品でも意外と売っていないなぁと思っていたので、前橋駅前のイトーヨーカドーの新星堂にダメモトで寄ってみる。
 
 群馬県の場合、タワーレコードとかHMVだと東京の品ぞろえとそんなに変わらず、東京にないものは群馬県にもないのだが、新星堂だと東京で売れてしまったものが群馬県で売れ残っているといううれしい事態がたまにある。かつて高崎の新星堂で時折そういううれしい事態があったのだが、昨年惜しくも高崎の新星堂は消滅してしまった。
 
 期待にたがわず前橋新星堂はHorace Parlan “Us Three”をちゃんと置いていてくれる。しかも紙ジャケのRVGリマスタリングのものなので音質の向上したものである。本来はこの手の作品は中古屋で1300円位で買うものであろうが、探すのも面倒なので新品を2500円で買ってしまう。紙ジャケ・RVGリマスタリングという付加価値があるのでまぁいいかと思う。

 そういうわけで前橋での猟盤は、新年第1回目の猟盤としてはまずまずの戦果だったと思う。

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posted by goiss at 14:16| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする