2008年02月11日

忌野清志郎完全復活祭@日本武道館

(この記事もともと「ゴイス音楽日記」の記事ですが、「自転車名人」でもあられるキヨシローさんに敬意を表し、主として自転車ブログである「ゴイス日記」にも同じ記事を載せました。) 
 
 さて2月10日は忌野清志郎完全復活祭の日である。忌野清志郎(以下「キヨシローさん」)は自転車愛好家として有名で、毎年夏に群馬県渋川市から自転車で法師温泉までツーリングし、そこで一泊してからフジロックに出演していた。第1回自転車名人に選出されたことは関係者の間では有名である。そして、2005年100万円を超える愛車「オレンジ号」を新大久保で盗まれたことは関係者でない人の間でも有名である。 2006年7月11日に喉頭がんであることを公表し、闘病生活に入っていた。がん治療のため髪の毛は抜けて頭はツルツルになるなどその闘病は熾烈を極めたが、その後チョボチョボと単発で他ミュージシャンのセッションに参加し、そしてこの日の完全復活祭に至ったわけである。

 私の勤める役所の互助会のような組織が各種イベントのチケットの先行予約をやっていて、今回のキヨシローさんの完全復活祭も取り扱っていた。がんから復活した自転車乗りというと真っ先に思いつくのがランス・アームストロングであるが、キヨシローもこの系譜に続いたことになる。自転車乗りの末席を汚す私、そしてキヨシローさんの音楽に敬意を表する私としては、完全復活祭には是が非でも出たいものである。同じく自転車乗りであり、そしてRCサクセションの”Rhapsody”(Naked)を聴かせまくって洗脳した私の子供も連れて行こうと思い子供を誘うと関心を示す。そこで2007年12月ころ子供と私の分を先行予約してチケットを取ったのである。
 2月10日というと、子供の中学入試の結果が既に発表されていて、子供の行く末が決まっている頃である。子供が当選していれば、中学受験合格お祝いライブ、子供が落選していれば、「中学受験だけが人生じゃないよ、人生まだまだ長い」子供励ましライブである。幸いにして子供は入学を希望していた学校のひとつに合格し、中学受験合格お祝いライブとなった。ちなみにキヨシローさんを生で見るのは今回が初めてである。

 この日東西線に乗って九段下駅を出ると、キヨシロー完全復活祭に行く人が続々と武道館へ向っている。午後5時過ぎ位に日本武道館に到着し、武道館の門を抜けると延々と人が並んでいるが、それとは別に武道館の入り口のほうに向かう人がいる。
 武道館入り口付近にたどり着くが、入り口に向かうための列の場所がよく分からない。ひょっとしたら武道館の門のところにあった行列がそれかと思ってそこに引き返して並ぶと、後ろの方から「完全復活祭グッズをお買い求めの方は、こちらに並ぶと開演に間に合わない場合がございます」と係員がメガホンでがなりたてている。どうもここは完全復活祭グッズの販売の列のようだ。あわてて再び入り口のほうに向かうと「完全復活祭にご来場の皆様は、時計台付近の列にお並びください」とのアナウンスがある。
 やれやれと思ってそちらの列に並ぶと列はするすると動き、待つまもなく完全復活祭入口に入る。入り口でチケットをモギってもらったあと、粗品をいただく。快気祝いの手ぬぐいだ。「快気祝」ではなく、「快気祝い」と「祝」に送り仮名をつけているのが何かかわいい。

 午後5時20分ころ座席に着く。指定の座席はスタンド1階席北東J3番と4番。北東1階席の一番てっぺんの方の席である。アリーナや舞台を俯瞰するような形で見ることが出来る。午後6時の開演に向けて徐々に人が埋まってきて、午後6時頃には会場は満杯になる。武道館のようなでかい会場でライブを聴くのは、1998年3月に東京ドームで行われたローリングストーンズのライブを聴いてから実に10年ぶりである。

 午後6時の開演のはずが大分じらされ、午後6時15分頃になって「大変長らくお待たせいたしました」のアナウンス。あとは観衆の大歓声と手拍子。そして会場が真っ暗になりキヨシローさんのスライドショーが会場内のモニターに映し出される。それと平行して舞台にメンバーが徐々にそろいそのたびに大歓声が沸く。そしてマントを羽織ってキヨシローさん登場!!その瞬間観客総立ち!!拍手、手拍子!!歓声!! 私も復活した生のキヨシローさんを見て大興奮!! 以後完全復活したキヨシローさんの圧倒的なパフォーマンスを前にして怒涛のような感動に押し流されっぱなし。

忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS plus 仲井戸“CHABO”麗市
メンバー:忌野清志郎(vo)/三宅伸治(g)/中村きたろう(b)/厚見玲衣(key)/宮川剛(ds)/梅津和時(a.sax)/片山広明(t.sax)/渡辺隆雄(tp) /仲井戸“CHABO”麗市(g)/新井田耕造(ds)

1 JUMP
2 涙のプリンセス
3 誇り高く生きよう
4 ダンスミュージック☆あいつ
5 NIGHT AND DAY
6 デイドリームビリーバー

 後で調べるとここまではアルバム「夢助」からの曲が多い。私はRCサクセションの「ラプソディ」や、「Covers」を聴いたに過ぎず、キヨシローさんの作品をそれほど多く聴いたわけではない。そのため、ここまでの曲はほとんど初めて聴く曲である。しかしそんなことはどうでもいい。一見怪鳥のように聴こえるが実は味わい深い独特のボーカル、そしてバラード演奏での深みのある解釈はキヨシローさんが半端ではないヴォーカリストであることを示している。
 
 そしてブラス陣がはじける。特に梅津和時が舞台狭しと踊りまくる。「ラプソディ」のときは髪の毛とヒゲを生やし、ドクトル梅津と称して「生向委」を率いていたが、今や怪しげな丸坊主をテラテラと光らせながらド迫力のサックスを咆哮しまくる(ただしこの日は帽子をかぶっていて丸坊主をもろ出しにしていなかった)。

7 いい事ばかりはありゃしない
8 君が僕を知ってる
9 チャンスは今夜
10 僕の好きな先生
11 私立探偵
12 多摩蘭坂
13 毎日がブランニューデイ

 この当たりからチャボさんが加わる。キヨシローさんとチャボさんのコラボレーションはさすがプロという感じ。曲の合間合間に時折キヨシローさんは水分補給して休憩。この当たりサイクリストが時折ボトルの水を飲みながら走るさまを髣髴とさせる、と思うのは手前味噌か。この当たりから私の知っている曲もチョボチョボ出てくる。しかしキヨシローさんの圧倒的に感動的なパフォーマンスの前に私が知っている曲かどうかなんてことは些細なことである。「僕の好きな先生」「多摩蘭坂」「毎日がブランニューデイ」いぃねぇ〜。五臓六腑に染み渡る。

14 コーヒーサイフォン

 13曲目まで歌ったところで既にキヨシローさん着ていたものをあらかた脱いでシャツ一丁になっており、ここらでキヨシローさんお色直し。その間チャボさんのMCと歌。

15 GOD
16 スローバラード
17 激しい雨
18 ドカドカうるさいロックンロールバンド
19 キモチE
20 BABY何もかも

 キヨシローさんお色直し後復帰。「スローバラード」でキヨシローさんの感情注入されたバラードのパフォーマンスが頂点に達しリリシズム横溢、感極まって涙、涙、涙!!

 曲と曲の合間にキヨシローさん、この世の中では悲惨な戦争が繰り広げられている、と、マジモード。うんうんそうだ。そういえばこの人のサイスポ宛の年賀状には「戦争はやめろ」と書いてあったなぁ。それに、サイクルショップマツナガの店長が書いた本の巻頭言として「戦争で俺が自転車で走る道を壊さねぇでくれ」というようなことを書いた詩をキヨシローさんが寄せていたことを思い出した。するとキヨシローさん、「そこで会場の皆さんに今日は聞いてみたい!!」と問いかける。KYな私は「何だろう」といぶかしく思っていたが、会場の人は「待ってました」という雰囲気。するとキヨシローさん、やおら

「みんな〜、愛しあってるかい???!!!」

 そうか、それかよ!! そういうことか。KYな私はようやく事情が飲み込めた。会場いっせいに「YEAHHHHHH〜ッ!!!!」これがライブというもんだ!!!後は激しいビートの波状攻撃とキヨシローさんの怪鳥ヴォーカルが爆裂、炸裂、破裂!!! キモちEでの大盛り上がりへと向かう。

 そして「最後の曲」と称した「BABY何もかも」で、最初キヨシローさん、例によってリリシズムの頂点を極めたバラードを歌い、そして感極まったところで、一転して強力なビート&アップテンポ・モードに突入、怒濤のような大団円へと向かう。
 キヨシローさん、この場で再び歌えることに感謝してか、感極まって何度もステージにひざまずいて巨人の桑田のようなポーズを取る。そのたびにマネージャーのような人がマントをキヨシローさんの背中にかけ、そのたびに復活して舞台狭しと駆け巡る。そして長い長い盛り上がりのあと、キヨシローさんのマイク振り回し&キャッチで一旦はこの曲は終わって、建前としては完全復活祭は終わり、ということになる。

 しかしながら、当然のことであるが、ライブの常識としてこれは終わりではない。アンコールを求める手拍子が自然発生的に起こり、そして続く。

(アンコール)
1 よォーこそ
2 ROCK ME BABY
3 雨上がりの夜空に

 5分くらいじらされたあとメンバー再び終結。キヨシローさん登場のあと、どこかで聴いたようなイントロ。「よォーこそ」である。私が愛する「ラプソディ」(ネイキッド)の劈頭を飾るメンバー紹介の歌である。この歌に込められたファンに対する敬意に感動してキヨシローさんのファンになった私は、この歌を生でキヨシローさんが歌うのに接して感動しっぱなしであった。「リンコ・ワッショー」、「小川銀次」や「キーボード・ロボットG2」はいなかったが、「仲井戸ぉ〜麗ぃ市ぃ〜〜!! チャボ!!」「ヘィ・ドラマー 新井田耕造!!」のくだりが「ラプソディ」(ネイキッド)と同じく歌われており感動した。

 その後ROCK ME BABYを経て、ついに「雨上がりの夜空に」に突入する。これは普段ロックなんて聴かない私の家内さえ知っている超有名曲である。こういう曲のイントロに入ると会場は騒然として盛り上がる。「どうしたんだ Hey Hey Baby」「バッテリーはビンビンだぜ」「こんな夜に 発車できないなんて」「こんな夜に お前に乗れないなんて」

 興奮して一体となるアリーナ席の観客のさまが実にすばらしい。こういうスペクタクルを目の当たりに出来るのが大会場でのライブの面白さ。普段冷静な私も触発されて「こんな夜に お前に乗れないなんて〜」とこぶしを振り上げて歌っちまったぜ。う〜ん、いつになってもいいものはいいねぇ。いやぁ〜時間と金をかけてキヨシローさんのライブに来て本当によかった。

E04 LIKE A DREAM

 「雨上がりの夜空に」で、観客一同大興奮したあと、フッとキヨシローさん、「もう一曲やっちゃおうかな」とつぶやき、ギター一本とハーモニカでバラードを歌う。今まで騒然となっていた観客も、キヨシローのギター一本とハーモニカのバラードの前で、針が一本落ちても響くような静寂をかもしだして聴き入っている。大観衆ではあるが、本当にいい観客だと思う。そこら辺のジャリタレの追っかけと異なり、キヨシローのライブに来るような聴衆になると、ある程度落ち着いた大人の年代の人(少なくとも30代以上)が多いのでこうなるのだろう(そういえば、観客には子供連れも結構いたな。)。

 ギター一本とハーモニカの演奏が終わり、今度こそ本当にキヨシローさんの完全復活祭は終わりだ。すると、キヨシローさんの子供が二人、キヨシローさんに花束を持ってくる。これはサプライズなんだろうか。キヨシローさん声を詰まらせて何かしゃべっていたようだが、言葉になっていなかった。キヨシローさん子供とともに会場の声援に応え、そして背中を丸めて舞台を去っていった。実にいいライブだった。キヨシローさんありがとう。これからも人間同士の愛を説くラブソングをどしどし歌って欲しい。そして自転車にも乗り続けて欲しい。

 ちなみに私の子供、ライブの中盤位までは立ってノリノリで手拍子していたが、その後いすに座って足をばたばたさせてノッていた。ロックのライブは聴くほうも体力が要求されるので、さすがに小学生の子供には荷が重かったかと思ったが、後で聞いてみると「おなかが空いていた」とのことであった。ライブに行く前にサンドイッチでも買っていくかと子供に申し向けたところ、要らないといったので、ご飯不要と理解していたため少々意外であった。
 よくよく話を聞くと、このライブは1時間くらいで終わるものかと思っていたのでサンドイッチなどの準備は不要と考えていた。しかし会場についてから私に「このライブは何時頃までやるのか」と聞いたところ「午後9時頃までやるよ」といわれたのであせったとのことであった。

 子供も私もおなかが空いていたので、キヨシローさんのライブが終わった後、武道館近辺で食事ができるところを探すが、休日ということもあって意外と営業しているところが少ない。とりあえずサブウェイのサンドイッチでも食べることとし、ローストビーフサンドLサイズを私と子供で注文する。
 子供もLサイズ(結構でかい)を注文したので、サブウェイのお姉さん何度も何度もLサイズでよいか確認していたが、私は「Lサイズでいいのっ!!」と念を押す。私の子供は身長144センチくらいしかなくて小学校6年生にしては小柄なのだが、食欲は人一倍である。
 私と子供がサブウェイで食事していると、徐々にサブウェイに人が入ってきて混みあってくる。おそらく完全復活祭に出ていた人たちであろう。やはりロックのライブは聴くほうも体力を消耗するので、おなかが空いた人たちが食事するところが少ないので、数少ないサブウェイに続々と詰め掛けてくるのだろう。

 帰り道、「キヨシローのライブ面白かったか」と子供に聞くと、「面白かった」と子供が返す。それはよかった。これからも、子供の多感な時期のうちに、私の趣味の範囲内で、文化的なイベントに子供を連れて行き、子供をいっぱしの文化人に仕立て上げる所存である。

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posted by goiss at 22:31| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、うちのブログへの書き込みありがとうございます。
こちらはすごく詳しいレポートですね、
ライブの感動が蘇って来るようです。

>「みんな〜、愛しあってるかい???!!!」
これは私も最初気づかなくて、
「おお!これかぁ!」と嬉しくなって
「イエーイ!」と年甲斐も無く叫んでしまいました(笑)
Posted by かつけん at 2008年02月12日 00:02
>かつけんサマ
コメントありがとうございます。自転車存分に楽しまれていらっしゃると思います。もしよろしければ、そのうち私がやっているブルベなんかにも参加してみると面白いと思います。
Posted by goiss at 2008年02月18日 00:21
rcサクセション ラプソディ で プログ検索中です。
今 動画で RCサクセション ラプソディを 視聴しています。
昔 よく 聴いていました。いろいろあるとき 私の人生で 大丈夫 大丈夫 と口癖になりました。音楽同好会(名前検討中 RCサクセションを語る会 ラプソディ
Posted by 謎の三文字☆村石太&♪レディ at 2012年06月30日 21:26
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