2007年11月24日

久々の石丸電気

11月23日久々に秋葉原に出かける。秋葉原に行きつけの床屋さんがあるからである。この床屋さん、吉田自転車の顧客であり、主として通勤ライドの他ダウンヒルを楽しまれている。そのためこの床屋さんに行くと自転車の話ができて楽しい。この日も私が先日行ったサイクルモード2007の話をしながら毛を刈ってもらう。私の場合じっとして毛を刈ってもらうのが好きではないので、趣味の自転車の話をしながら毛を刈ってもらうためどうしてもこちらの床屋さんでお世話になることが多いのである。

 床屋さんで毛を刈ってもらってさっぱりしたあと久々に秋葉原をブラブラしてみようかと思う。私の場合、街ブラブラというと、どうしてもCD屋見物ということになる。このところ秋葉原CD屋見物というとヨドバシアキバに出来たタワーレコードであった。しかしタワーレコードにはもう何回も訪れているので、この日は久々に石丸電気に行ってみることにする。

 今から21年前大学生だったころジャズを聴き始めた。その当時、ジャズCDを買うときはどういうわけか決まって石丸電気レコード館であった。その当時は今のようにジャズCDの多くがCD化されているというわけではなく、名盤と呼ばれていたジャズ作品が徐々にCD化されていた時代であった。そのため、スイングジャーナルで初CD化された作品を毎月チェックしては少ない小遣いをはたいていそいそとCDを石丸電気に買いに行ったものであった。私の通っていた大学は八王子にあり、かつ学生当時一応司法試験の勉強に励んでいたため、そう何度も石丸電気に行く機会があるわけではない。そういうわけで、たまに石丸電気に向かい、そしてCDをためつすがめつする時間は本当に楽しかった。昭和天皇の大喪の礼からもう20年経とうとしているが、その大喪の礼の日にBill Evansの”Paris Concert Edition I”と、”同 Edition II”が発売になったため、そぼ降る雨の中自粛営業を行う石丸電気にこれを買いに行ったのを今でも覚えている。

 しかし、このところなぜかディスクユニオンでジャズCDを買うことが多い。新品CDよりも中古CD漁りの方が魅力的だからであろう。そうなると秋葉原からは足が遠のき、石丸電気にはほとんど行かなくなる。しかしながら、それは石丸電気が決してCD屋として魅力的でないことを意味するものではなく、むしろ新品CDに関しては全般的に見てディスクユニオンをしのぐ品揃えがある(ディスクユニオンは中古CDについては実に充実しているが、店舗スペースの関係があって、新品CDの品揃えについては、輸入新譜・再発新入荷のものは優れているが、他はさほどでもない。)。そういうわけで、この際だからちょっと石丸電気レコード館を見ていこうかと思う。

 万世橋交差点の少し昌平橋寄りのところに石丸電気レコード館がある、否、あったという方が適切だろう。石丸電気レコード館は、石丸電気SOFT3と名前を変えてジャズ・クラシック専門の店と化していた。私の知る石丸電気レコード館ジャズ売り場は2階にあったのだが、今は国内盤が5階、輸入盤が6階にある。

 まずは輸入盤売り場に行く。というのも、実は私は石丸電気の輸入廃盤CDの品揃えについて密かな期待をしていたからである。というのも、山帽子氏の主宰する「廃盤ジャズCD倶楽部」というブログに、石丸電気でJudy Baileyの”Sundial”を5000円で入手したという趣旨のコメントがあったからである。この”Sundial”という作品は、超入手困難な作品らしく、ヤフオクでの落札価格は常時1万5千円を超え、3万5千円を超える落札価格がついたこともあるという。石丸電気はそのような作品、しかも新品を5000円で入手できる店だというのであるから、これはひょっとしたら何かすごい出会いがあるかもしれないと期待を抱くのである。

 輸入盤売り場に行くと、寺島靖国氏の「JAZZ PIANO 名盤500」に記述されているCDを陳列した棚がある。これをひょろひょろと覗いていると、Nahorny trioの「牛ジャケ」がある。これは最近ほとんどCD屋で目にしないので、これをまずキープする。続いてJessica Williams ”higher standard”が目に付いた。これも最近あまりCD屋で見かけないので、これも一応キープしておく。

 寺島コーナーの横には、「新入荷」のコーナーがある。「新入荷」とは、ディスクユニオンの中古ジャズCD売り場のようだ。そこにはどうも入荷困難な輸入CDを置くための棚のようであり、かつそこに並ぶCDは他のCDと比して値段が張る旨の説明が書いてある。どうもここが希少CDを置いてある棚だと思うと気持ちがはやる。
 果たして棚を眺めてみると、早速Antoine Hervier “my queen of heart”などという、ディスクユニオンで中古で7000円を超える値段で売っているCDが、その3分の2以下の値段で新品で売っている。そのCDには「入手困難、廃盤・生産中止」の表示がしてある。まずはこのCDを目の当たりにした0.00000001秒後にこれをキープする。
 また、いわゆるG-Collection シリーズとして出されたBob Florence Trio “Meet the Bob Florence”が、新品で売られている。これには「廃盤/入手困難 海外よりの逆輸入盤です」という表示がついている。
 このG-Collectionシリーズは、今から1988年からセンチュリーレコードが販売したジャズCDシリーズであり、このシリーズにおいては、およそCDでは日の目を見ることはないであろう 相当マニアックなジャズCDが復刻されている。その後復刻CD企画は数々あれど、このG-Collectionシリーズをしのぐマニアックな復刻企画はとんとお目にかからない。ほとんど担当者の趣味で選んだとしか思えない。よくもまぁこういう企画が社内で通ったものである。
 このシリーズのCDはあっという間に市場から姿を消して廃盤CDの代表的なものとなったため、廃盤ジャズCDセールの主役となった。Bob Florenceの作品もそのひとつである。
 20年近く前に発売され、あっという間に廃盤となった作品が、中古ではなく、新品、しかも海外逆輸入盤として販売されている。いったいどういう入手経路をたどったのだろうか。何とも不思議である。長年の間廃盤CDを求めて日々目を皿のようにして中古CD屋を回っているため、G-CollectionシリーズのCDは結構持っているのだが、この作品を目の当たりにするのははじめてである。そういうわけでこのCDを目の当たりにした0.00000001秒後にこれをキープする。

 とりあえずこれらの作品を購入候補としてキープした後、他の棚をブラブラと回る。他の棚は通常のCD屋と同様、楽器別にまず分かれていて、そのあとミュージシャンの名前(ファーストネーム)のアイウエオ順に並べてある。そちらの棚には特に希少盤とか今すぐ欲しい盤はなかった。また、そちらの棚にもJessica Williamsの”higher standard”が並んでいたので、この作品の購入は急を要しないと思い、この作品を棚に戻す。

 再び新入荷の棚に戻ると、先に述べたJudy Baileyの新作が陳列してある。Judy Baileyを知ったのはディスクユニオンお茶の水ジャズ館のLP売り場であった。そこでCBSから出ているJudy Baileyの作品(8万円。おそらくオリジナル盤)のジャケットを見てこの人の作品をちょっと聞きたくなったのである。この人のCBS時代の作品のCD化が待たれるところである。
 その新作は4000円以上したので、これはちょっとパスだなぁと思いつつ、店員さんの書いたとおぼしきその作品の紹介文を読んでみると、この作品の入荷と同時にJudy Baileyの旧作2作も入荷したと書いてあるので、これはひょっとして”Sundial”もあるかと思い、再び「新入荷」の棚を見てみる。そうすると、あるわあるわ、”Sundial”とともに、”Notwithstanding”も見つけることが出来た。最初この棚を見たときは発見することができなかった。何らかの問題意識を持たずにボーっと棚を見ていると、こういう見落としをするものである。こうしたCDは、とにかく見つけたときに買わないと、仮に店に在庫があったとしてもあっという間に売り切れて再び幻化するのである。そういうわけで、これらのCDを見つけた0.00000001秒後に手中に収める。

 これで5作のCDを手中に収めた。合計金額は、私がCDを購入する場合の最大限の金額の2倍であるが、これらのCDを中古屋で回って取得する労力と手間と費用と、そして入手可能性を考えると、おそらくその価格はリーズナブルと思われるので、しばしこれらのCDを手中に収めた余韻を味わった後、意を決してこれらのCDをレジに持っていく。「いやぁよくこれらのCDを仕入れましたねぇ」と感嘆した旨を店員さんに申し述べると、店員さんやたらと恐縮し、かつ照れていた。
 この店は、在庫のある作品については店頭に出ているものに代えて奥にしまってある在庫を売るので、レジの店員さんが奥の在庫を見てくれる。すると、Judy BaileyとAntoine Hervierの作品についてはまだ在庫があるらしく奥の在庫を売ってくれるが、牛ジャケとBob Florenceの作品についてはもう在庫がないため店頭にあるものを売ってもらう。Bob Florenceの作品についてはもう廃盤になって日が相当経っているので(というか、そもそも新品で入手できること自体が奇跡的なので)、これはやむを得ないが、牛ジャケについてはつい最近の作品という印象だったので、在庫がないのには驚いた。もっとも牛ジャケが録音されたのが2000年なので、考えてみると7年前、結構昔の作品になっている。市場から消滅したとしても、これはやむを得ないか。

 輸入盤売り場でおなかいっぱいになったというのに、よせばいいのに国内盤売り場も覗いていく。例によってブラブラとあちらこちら見ていく。私が石丸電気に通いつめていた頃は、輸入盤CDと国内盤CDが同じジャズCD売り場に陳列されていたため、CDの棚が詰まっており、通路が結構狭かった覚えがあるが、輸入盤ジャズCD売り場と国内盤ジャズCD売り場が別のフロアになったので、通路が広くなり、比較的ゆったりとCDを見られるようになった。しかも、試聴ブースではちゃんといすに座ってゆったりと試聴できるようになっている。なんとも至れり尽くせりである。店内には、Emilie-Claire Barlowの新譜がかかっていてなかなかいい感じ。この人、Blossom Dearieほどではないが、かわいい系統のジャズシンガーであり、いずれこの人の作品を取得してみようかと思う。

 CDを陳列している一角に、Argo/Cadetの紙ジャケのCDを集めているところがある。よく見てみるとVito Price “swinging the loop”という作品が売っている。Vito Priceが背中をそらせて路上でサックスを吹いている、特徴のあるジャケットだ。この作品、確か某中古CD屋で廃盤CDとして結構べらぼうな価格で販売されていた覚えがある。それがここではちゃんと定価で販売されている。早速レジに持っていく。ここも在庫がある場合店頭に展示されている品に代えて奥にある在庫を売ってくれるのだが、この作品もう在庫がなく店頭展示品限りのようだ。この作品が本当に廃盤になる日も近いのであろう。

 国内盤もここで買って相当おなかいっぱいになったが、またちょっと輸入盤でも見ようかと思って念のため再び輸入盤のフロアに上がってブラブラ見る。「そういえば、この店って、Horace Tapscott “Thought of Dar Es Salaam”ってあったっけなぁ」と、はっと思いつく。そこで、新入荷コーナーや寺島コーナーをみると、あったわあった、寺島コーナーにちゃんと置いてある。ところがこの盤もすでに廃盤と表示されている。これも見つけたが最後ここで買わないとあっという間に消滅する可能性があるので、見つけた後0.00000001秒後にはすでに手中に収めている。早速これをレジにもっていくと、店員さんが在庫を出してくれる。どうもこの作品については、石丸電気は廃盤であるにもかかわらず結構ごっそりと仕入れたらしいのだが、寺島氏の本に掲載されている作品であるため売れるのは早いかもしれない。それにしてもこうした売れそうな廃盤作品をごっそりと仕入れてくる石丸電気は実に不思議な仕入れルートを持っている。改めて驚嘆した次第である。

 そういうわけで、久々の石丸電気での猟盤は近時まれにみる豊作に終わった。今後も石丸電気の仕入れには要注意と思われる。

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posted by goiss at 22:51| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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