2007年05月30日

神奈川400km沼津ブルベ走行記(その7)

神奈川400km沼津ブルベ走行記(その6)からつづく>

第5PCを発ったのは午後9時過ぎくらいであり、第6PCに到着したのは午後11時過ぎくらいだったので、この間2時間。疲れが出てくる復路にしてはなかなかよいペースである。第6PCでは、居合わせたブルベの人と、「いやぁさっきは飛ばしましたねぇ」などと話をする。ここでもまだ雨の心配はなさそうであるが、できるだけ雨に降られる区間を少なくするためそこそこに休憩して次のPCを目指す。

第6PCから第7PCまではおよそ70kmの道のり。もし往路のヤマザキデイリーストア南部内船店が開いていればここがPCになるのだろうが、ここは午後11時ころに閉店してしまうので、その近辺でPCとなりうべきコンビニというと、そこから15kmくらい先の芝川町のサークルKになるのである。そのため70kmという中途半端に長い距離を走行することになる。この区間、昨年は少々長めの距離のため、途中身延から南部に入るところでの急な上り坂を登り切ったあと炭酸飲料を飲んで一休みしたり、50km付近で自主PCと称して一休みして、パワージェルで補給したりした覚えがある。今年はどうだろうか。

 まず第6PCを出てから県道12号線を5kmほど走行する。ここは緩い下り坂なので楽にスピードを出して走行できる。しかもさすがに午後11時を過ぎると自動車の走行はほとんどない。そのため極めて快調に走行することができる。県道12号線が終わり近くなり、小笠原橋北詰交差点が近くなると、先に第6PCを出発したおじさんの尾灯がチカチカと見えてくる。小笠原交差点を右折して国道52号線に向かおうとすると、向こうの方からそのおじさんが「ミスコースしちゃいましたぁ」と叫んでいる。どうもこの交差点に気づかずに通り過ぎてしまったようだ。しかしおじさんは正しいコースを確認できたようなので、安心して私は走行を再開する。

 数キロほど市街地を走行する。市街地といっても午後11時を過ぎているので店は閉まっていて閑散としており、自動車の通行量は少ない。しかも下り基調である。なかなか楽しく快走できる。途中の信号でおじさんが追いついてくる。そこで若干サイコンの調子を整えたのでおじさんに先に行ってもらう。このおじさん結構速く、あっという間に視界から見えなくなってしまう。

 市街地を抜けるといきなり視界が開け、富士川の広漠かつどす黒い流れを左手に見る静寂に包まれた風景に一変する。人里から一気に大自然の懐へと投げ出されたような感じになる。ここから次の曲がり角である上沢交差点まで、おそらく20kmくらいはこのような状況の中自転車をこぎ続けることになる。昼の川と異なり、夜の川はそこに引き込まれるようなどす黒い静寂をもっていて、なかなか趣がある。広漠としたどす黒い流れと静寂の中ひたすら自転車をこぐ。究極の脱日常体験であり、実に贅沢な時間である。
 雨が降らないうちに早くゴールに到着したいと思う反面、どす黒い静寂の中いつまでもいつまでも自転車をこいでいたいという思いもある。上沢交差点までは20km位あるので、当分の間広漠としたどす黒い流れを目の当たりにして静寂の中自転車をこげるなぁと思いうれしくなる。この日自動車の交通量は少なく安心して自転車走行できたので、なおさらうれしくなった。また、昨年の神奈川600km沼津ブルベのときは、この区間強烈な向かい風のため、下り基調だったにもかかわらず時速25km以上のスピードが出ず難儀したのであるが、この日は特に風はなく快調に走行することができる。

 ビルが放つ光によって毒された東京の空と異なり、夜空がひたすら広くて黒い。黒い静寂に包まれて自転車をこぐ。至福の瞬間である。時折前を走行するおじさんの自転車の尾灯が見え隠れする。おじさんの尾灯を目標に走行する。誰かが私の前を後ろを走行しているかと思うと結構励みになる。

 広漠としてどす黒い富士川の流れを左手に見つつ走行すると、いつの間にかという感じで上沢交差点に到着する。上沢交差点を左折して鉄橋を渡り、少し前に進むと波高島T字路があって、そこを右折して県道10号線・9号線を走行する。このあたりは山の中をくねくねと通行する感じである。それでも身延町の間は若干のアップダウンはありつつも、比較的平坦な区間であり、街灯も整っていたと思う。
 身延町から南部町に入るあたりでいきなり曲がりくねった急坂が出現し、ここをエンヤコラサと上る。昨年はここを登り切ったところで炭酸飲料をなぜか無性に飲みたくなり矢も楯もたまらずこの近くの自販機前で立ち止まって炭酸飲料を飲んだような覚えがあるのだが、今年はここで休まなくても全然OKであった。
 ここを登り切るとしばらく下りが続き、その後も緩いアップダウンが続く。この山道、南部の町のあたりには若干の街灯はあるものの、基本的には街灯はなく真っ暗闇である。街灯もないどす黒い闇の中ひたすらに自転車をこぐことなど、都心に普通に生活しているのではまずありえない体験である。こんな感じの山道をまだ30km以上も走行するわけである。

 南部の町を過ぎてもまだ第7PCまで15km位ある。昨年の神奈川400km沼津ブルベのときは、南部の町を過ぎてからしばらくしたところで自主PCと勝手に称して小休止し、パワージェルを摂ったものだったが、今年は休まず走行できる。
 身延線井出駅の脇の上り坂を上りきると、一気に下り坂になる。この下り坂を勢いにまかせて下ると何やら川を渡ったようであり、そこからしばらく川を右手に見ながら平坦な道のりが続く。
 そこをしばらく走行すると、いきなりドバーンという感じでペダルが重くなる。どうも南部と芝川の間の急坂に遭遇したらしい。ここが最後の難所と思ってギアを軽くし、エンヤコラサッサと坂を上る。すると背後からライトが照射される。ブルベ参加者だろう。しかし私の背後には全くブルベ参加者はみられず、もし私に迫ってくるブルベ参加者がいるとすれば、私の前を走行していたおじさんしか考えられない。この坂をエンヤコラサッサとようやく登り切ると下りである。この下り結構急であり、しかもヘアピンカーブみたいに曲がっている箇所がある。さらにここに街灯は全くなく真っ暗闇である。真っ暗闇の中どこがどういうふうに曲がっているかはっきりわからない急坂を爆走するのは躊躇する。私はゆっくり下っていったのだが、くだんのおじさんとおぼしき方は颯爽と下っていく。

 ようやく坂を下り終えて第7PCももう少しだなぁと思いながら走行する。しかしここは街灯一つない山道であり、しかもガスが出てきて視界は悪い。ガスにむせぶどす黒い山道をひたすら自転車で走行する。普通に生活していたのでは味わえない不思議な状況下での自転車走行である。空は真っ暗でどんな雲行きになっているか皆目見当がつかない。そろそろ雨の心配が出てくる。第7PCに到着するまでに、2,3台の自動車とすれ違う。この山道をこんな深夜に何でまた通るんだろうなぁと不思議に思う。だが、すでに芝川町に入っているため、第7PCにはまもなく到着である。

 ガスにむせぶどす黒い山道を数キロ走行すると徐々に人里っぽくなって来、そこを少し走行すると第7PCであるサークルK芝川役場前店に到着する。ここにはすでにブルベ参加のおじさんが到着していて休憩している。私は結構おなかが空いていたので冷やし中華そばを買って食べる。ここでそのおじさんと話をしながら30分くらいの大休止をとる。このおじさん私に先行して走行していたのに、どうして芝川の坂で私の後から追いついたかを聞くと、どうも途中でミスコースしたからだという。GPSを持っていたのでコースに復帰できたのだという。この真っ暗闇の山道でミスコースしたら遭難しかねないだろう。

 もうゴール地点まであと36km程度である。おそらく雨も大丈夫だろう。休憩を終えて最後の走行へと出発する。

(つづく)

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posted by goiss at 21:20| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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