2011年10月22日

健康診断

 さて10月20日健康診断である。2006年から今までの間結構激烈に執務先を変えてきた。そして執務先を変えるたびに入社前健康診断というものを受けてきた。しかし、入社前健康診断ではなく、定期健康診断となると、実に15年ぶりくらいだと思う(1996年に受けたきりじゃなかったか)。

 いわゆる入社時健康診断では、胃部レントゲンはなかったが、今回のものは胃部レントゲンがある。胃部レントゲンは、例のバリウムを飲んでぐるぐるまわしのレントゲン撮影を受けるアレである。ワタシは15年前にそれをやって、それ以来バリウムとぐるぐるまわしのカメラが大嫌いになった。これはできれば避けたいと思っていた。そしてパソコン上で拒否ることもできたのだが、うっかり拒否るのを忘れていて、気が付いた時にはもうそれを受ける選択肢しか残っていなかった。15年に一度くらいバリウムを飲んでみるのも悪くないかと思う。

 そういうわけで、この日9時半に指定されたクリニックに赴いて健康診断の受付をする。このクリニックには健康診断とか人間ドックを受ける人が結構いて混んでいた。このクリニックは多くの企業の産業医をやっているためそうなるのだろう。クリニックはとてもきれいで病院らしさをまるで感じない。

 受付を済ませて問診票等を提出すると、係の人がその日の健康診断のメニューを説明してくれる。血圧測定、採血、心電図、腹部エコー、身長体重視力聴力測定、胸部胃部レントゲン、肺機能検査、眼底眼圧検査がその日のメニューである。大体3時間の予定だとのことである。

 待合室に案内された後まずはいきなり採血である。ワタシは採血が大嫌いである。もともとワタシは注射が大嫌いである。子供のころ医者のカルテに「注射嫌い」と書かれたことがある。また、ワタシは20年近く前に尿管結石になったことがあった。その尿管結石は吐くほどの激痛が走るのだが、それでも痛み止めの注射を断って飲み薬の痛みどめを頼んだくらい注射がいやである。しかも、採血された後決まってワタシは気分が悪くなる。献血なんかやったら死んでしまうであろう。そういうわけで、採血にあたっては、「嫌いな注射」+「気分が悪くなる」という二重苦に見舞われる。

 ところが!! その採血を一番最初にさせられる。以前の健康診断では、採血はイヤだから一番最後にしてくれとお願いしたことがあったほどイヤな採血が一番最初である。この健康診断は最初からいきなり山場を迎えた。

 厳密にいうと採血の前に血圧測定がある。ワタシは低血圧気味なので採血前であろうがプレッシャーがかかって血圧測定で不健康な数字がでるというわけではない。しかしその後に控えている採血を考えると憂鬱である。最近は注射針が細くなってもう昔みたいに注射は痛くないというのはわかっているのだが、それでもやはり腕に注射針を突き立てられるのはイヤである。

 で、血圧測定が終わって採血である。先のトンガッた注射針を見ると卒倒しそうになっていやなので、注射を準備しているところや、注射される部分から目を背ける。そして針が刺される!! 昨年の健康診断のときは針が刺されるときほとんど痛みを感じなかったが、今年はちょっと痛かった。そこで「イテッ!!」と叫ぶと看護士さん申し訳なさそうに「ごめんなさい」と言っていた。

 しかし採血はこれからが本番である。針を刺されるときの痛みもさることながら、いつまで針を刺されっぱなしで血を採られ続けるのかわからないまま血を採られるづける不安こそが、採血の醍醐味、いや最大の苦痛である。次々と採血の容器を替えて血が採られ続ける。いったいどこまで血を採られるのか不安で目の前がちかちかしてくるのを必死にこらえる。血を採られている瞬間が永遠に思える。
 看護士さんが「もうすぐ終わりますね〜」といった時にはほっとしたが、そう言ったときから本当に採血針が体から離れるまでの間が最後の正念場といった感じで、精神力を振り絞る、といった趣。

 こう書いてみると、たいていの人は「採血ごとき」と思うだろうが、採血を心底嫌な人間にとっては、まさにこの程度の記述でも精神状態の描写としてはなまぬるいか、と思うわけである。こういう、たいていの人にとっては何ということもないことであっても実はとても嫌なことがある、ということを、きちんと理解している人間こそが、実は真に人間生活への共感を理解できるのではないかと勝手に考えている。

 序盤からいきなり健康診断の山場を乗り越え、これで相当な程度の精神力を使って消耗する。採血後例によって気分が悪くなる。15年ほど前の健康診断では採血後目の前に星がちらちらしてしばらくしゃがんだまま動けなくなった。今回はそれはなかったが、それでも気分が悪くなってしばらく椅子に座ったまま動けなくなる。そのまま体力が回復するのを待つ。5分くらいしてようやく動けるようになった。健康診断だというのに実に健康に悪い。

 しかしここから先バリウム胃検診までの間は、心電図や腹部エコー、身長体重視力聴力測定と、比較的楽なメニューのようである。心電図と腹部エコーは別のフロアで行われた。心電図では脇腹のあたりに器具が装着されるためヒヤッとしてくすぐったい。「ウヒャヒャヒャ」と笑いたくなるのをこらえる。腹部エコーでもヌルヌルの液体をおなかに塗られてエコーをあてられるので同様である。心電図と腹部エコーの間、結構待たされる。

 心電図と腹部エコーが終わって、次に胸部レントゲンである。これはまぁ特になんということはない。子供のころからやっている普通の胸部レントゲンである。身長体重視力聴力も特筆すべきことはない。メガネ使用で視力は1.5だった。しかし最近近くのものが見えなくなって本当に困っている。ひとつの検査と検査との間で、大体20分くらい待たされる。その間結構ヒマなので、備え付けの雑誌を読む。こんなことなら何か文庫本でも持ってくるんだったな。
 聴力測定が終わってから、胃部レントゲンのため、レントゲン室の前の椅子で待つように指示される。そして待つこと10数分、名前を呼ばれてレントゲン室に入る。いよいよ健康診断第二の山場である。

 まずは胃を膨らませるための炭酸の粉を、コーヒーにつかうミルク一杯分位の量で流し込む。しかし、もともとバリウムはドロドロしていて炭酸の粉を流し込むような用途向けではない。でも仕方がないので言われた通りバリウムで炭酸の粉を流し込む。あんまりうまくいかない。
 次にレントゲンの台に立ち、バリウムをごくごく飲むように言われる。バリウムが食道を流れる様をレントゲンで撮影するわけである。ところがこのバリウムドロドロしているので、ごくごく飲むというわけにはいかない。しかもまずい。さらにバリウムが食道の壁にペタリと張り付くような感じでとても不快。
 「ゴクゴク飲んでくださ〜い」とのアナウンスがあるが、「他人事だと思って好き勝手言いやがって」と思い、これ以上ないというくらい不快な表情をしてチンタラと飲んでやる。「あと二口ぐらいゴクゴクお願いしま〜す」というが、そもそも「ゴクゴク」が無理なのでちょびっとだけすごくイヤ〜な顔をして飲んでやる。

 そのあと、炭酸で膨れた腹を抱え、げっぷをしたいのを我慢しながらレントゲンの台にしがみついて台が斜めに傾いたり起き上がったりするのに耐える。その間横を向けと言われたり仰向けになれと言われたりしてとても面倒。採血みたいに痛くはないが、斜めになったり起き上がったりしてありえない姿勢ばかり取らされてとてもいや。
 そんな感じで10分くらい斜めになったり寝転がったりして最後立ち上がり、カメラを腹にギュギュ〜っと押し付けられて撮影され、その勢いで激しいげっぷが出て終わり。15年ぶりに胃部レントゲンをやったので、もうあと15年くらいは胃部レントゲンをしなくてもいいだろう。

 その後肺機能検査と眼底・眼圧検査である。かつて子供のころ保健と人体の図鑑でみた眼底検査は、何か眼球に変な機械を直接押し付けられるように見える野蛮そうな検査だったが、今はそういうことはなく、何かの装置を覗き込むだけで終わりである。技術の進歩は素晴らしい。後は針を刺さなくてもできる採血方法とバリウムを飲まなくてもいい胃部レントゲンを開発するだけだと思う。人間の力でできないことはない。

 そういうわけで、ようやく3時間に及ぶ健康診断は終わった。健康診断後昼食が出るというのでクリニック最上階のレストランに行くと、高級そうな弁当が用意されていてそれを食べる。朝から何も食べていなかったので昼食の用意はとてもありがたかった。やれやれとほっと一息。来年は胃部レントゲンは検査項目から外してもらおう。

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posted by goiss at 02:49| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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