【Paris Brest Paris Randoneur 2007とは】
さてParis Brest Paris Randoneur(PBP)2007走行の体験談である。PBP2007は、2007年8月20日〜24日に渡って行われた。
PBPは、オダックス・クラブ・パリジャン(ACP)により主催され、フランスのパリからフランスのブレスト間の規定の往復コース(1225km)を規定の時間内(90時間の部の他、80時間の部、84時間の部がある。)に自転車で走行すれば完走と認定される自転車走行会である。
これは1891年に第1回が行われ、1971年から4年に一度開催されており、今回で第16回目を迎える。PBPは規定の距離を有する規定のコースを規定の時間内に走行すれば完走と認定されるブルベと呼ばれる自転車走行会のうち最も伝統があるものである(ツール・ド・フランスよりも古い。)。
開催国のフランスのほか、アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、デンマーク、スペイン、日本など世界各国から5317人の人がPBPに申し込み、3703人の人が完走している。ちなみにパリブレストというフランス菓子があるようだが、これはPBPに由来する。
PBPに参加するためには、PBP開催年に各国で開催される200km、300km、400km及び600kmのブルベにおいてそれぞれ完走と認定されなければならない。2007年のブルベシーズンが開幕し、私は
BRM212千葉200km、
BRM324伊豆300km、
BRM505沼津400km及び
BRM602沼津600kmのそれぞれを完走し、PBP2007への参加資格を得た。
【PBP参加のための手続】
PBP参加のための手続には、(1)PBPの参加登録、(2)PBPサポートパック手続 (3)フランス往復の航空券の手配がある。
(1) PBPの参加登録
PBP2007に参加するには、登録書類及び参加料(108ユーロ)を6月11日から7月14日までの間ACPに送付して参加登録しなければならない。PBP2007の場合、日本の参加者については、各参加者は2007年6月30日までにオダックス・ジャパン(AJ)会長加藤氏に以下の登録書類及び参加料(108ユーロの日本円相当額)を送付し、AJが日本の全参加者の登録書類と参加料をとりまとめて7月上旬にACPに送付する取り扱いとなっている。
AJのホームページに
PBP2007参加に関する情報サイトが開設され、登録書類や登録手続のまとめが掲載されたため、各参加者はこれを参照しながら書類を作成して手続きを踏むことになった。
登録書類は以下のとおりである。登録書類の送付に当たっては、写真やラベルは一つのチャック付きビニール袋に入れ(私はジップロックを使った)た上で下記PBP参加申込書が一番上になるようにしてA4クリアファイルに入れ、クロネコメール便でこれらの登録書類をAJ会長加藤氏に送付するものとされた。
● PBP参加申込書:ACPのPBPホームページのオンライン参加登録ページにある登録フォームに必要事項を記載し、これをオンラインで送付すると、PBP事務局から自動的に確認番号が入った参加申込書(pdfファイル)が電子メールで送付される。これをプリントアウトしてAJに提出する。
登録開始日である6月11日から参加申し込みが殺到しており、6月13日には当初ACPがPBP定員としていた4000人を超える登録番号が参加申込書に付されていたようである。
私は6月13日にオンライン参加申し込みをしたところ手違いで私が完走認定を受けた300kmブルベが登録フォームに表示されないというトラブルがあり、その旨をPBP参加者メーリングリストで報告したところ、AJ監事下國氏が手際よく問題を処理してくれたので無事6月19日に登録フォームをACPに送付することができた。
また、下國氏が登録フォームの記載のひな形を作成してくださったので、容易に登録フォームを作成することができた。この場を借りて下國氏に謝意を表したい。
なお、その後7月16日にフレーム番号の入った正式の登録確認書(Acknowledgement of your registration)とともに、関係書類がe-mailで届けられた。この登録確認書は、スタート前日の検車やブルベカード交付等手続の際に必要となる。
● 開催日より3ヶ月以内に発行してもらった健康診断書(英文):PBP2007申請にあたっては、私は6月下旬頃友人の医師にこの診断書を作成してもらった。問診をしてもらった上で、「Mr.○○, who is my patient and well known to me, appears to be in good health and shows no sign of infections or other diseases」(オダックス・デンマークのひな形を参照した。)程度の文言を書いてもらって医師の署名をもらうような、簡単なものを提出したところ、特に文句もなくACPに受理されたようである。
● 保険証書のコピー:PBP2007への参加にあたっては、保険に入ることが要求されている。AJは三井住友海上火災保険の海外旅行総合保険への加入を参加者全員に義務づけた。参加者はAJのHP上に設けられた参加者用保険受付のためのフォームを記載してオンライン上で送付した。これをAJが取りまとめて全参加者の保険に関連する手続きをおこなったと思われる(そのため保険証書はAJ加藤氏には送付する必要はなかった。)。
● 顔写真(35mm×25mm):のちにブルベカードに貼付されることになる。
● 郵便返送用宛先ラベル3枚:80mm×40mm、裏に糊がついたラベルに住所と名前を書いたもの。水にぬれても大丈夫なように油性のペンで住所氏名を書くことが推奨されている。
(2) PBPサポートパック
2006年6月に、早くもPBP2007のサポートパックの募集が行われた。他国のブルベのクラブはすでにこの時期からスタート・ゴール地点のホテルを予約し準備を始めているので、日本のブルベ主催団体であるオダックス・ジャパン(AJ)もこの時期に英国のスポーツ旅行会社であるバクスター・スポーツ(Baxter Sports)に日本参加者のサポートパックを依頼することになったのである。PBP2007のための休暇が取れるかどうか1年前の段階では不明だったが、もしPBP2007に参加するなら是非これを使用したかったので一応サポートパック募集(1次募集)最終日である2006年7月12日に応募した。
そのサポートパックは8月17日〜26日までのもので、空港から宿泊先ホテルまで(及びその逆)の送迎、8月17日〜20日(84時間組は21日にスタートのため21日まで宿泊)及び23日〜26日までのホテルでの宿泊(朝夕食を含む)及び8月20日〜24日までのルディアックでのバス待機(バスでの荷物預かり=ドロップバッグ可能、また場合によってはバスの座席での仮眠可能)を主たる内容とする。1次募集、2次募集(1次募集より帰国日が1日早い。)で併せて90名程度。代金は1次募集が147,500円、2次募集が120,000円であった。
2007年5月上旬くらいにサポートパック申込者に対して、PBPサポートパックを利用するか、200kmブルベ〜600kmブルベまで完走したか、AJに航空券手配を依頼するかを確認する郵便やメールが来た。
この時点では私はまだ600kmブルベを完走していなかったが、とりあえずPBPサポートパックを利用する旨及びAJに航空券を手配を依頼する旨はメールで連絡しておいた。
PBPサポートパックを利用する場合、6月はじめに全PBPサポートパック利用者の代金を一括してAJがバクスター社に送付するため、600kmブルベを完走していない時点で5月中にはAJにサポートパック代金を送付しなければならなかった。もし600kmを完走できなかった場合にキャンセルするとしたら30%のキャンセル料(56日以上前)を取られるため、若干リスキーではあったが、やむを得ない。
(3) 航空券の手配
希望者にはAJがまとめてエールフランスの航空券をとってくれるとのことであった。これを担当する旅行代理店は風の旅行社である。これは便利なので(2)に述べた確認メールでAJに航空券の手配を依頼する旨連絡する。すると6月上旬くらいに風の旅行社から航空運賃代金の請求書が来る。本来7月上旬くらいが支払期限だったのだが、その後自転車運送のための追加料金がかかることがわかったので、8月初頭に支払期限が延びる。そのため8月初頭に航空運賃等支払った。航空運賃は往復で188,000円、自転車運送のための追加料金が往復26,400円である。
【PBP持ち物準備】
PBPには、以下のものを持参した(なお、持参しなかったが、持参すべきだったものには☆をつける)。
1 自転車〜トレックマドンSL5.9:ホイールを外して輪行用にフレームにくくりつけ、エンド金具をつけておく。タイヤ3気圧に減圧。ペダルは外してプチプチにくるみ、ビニール袋に入れてサドルバッグに入れる。ホイールのシャフトは外してビニール袋に入れ、ボトルケージに入れる。ディレイラーは外さないが、プチプチとタオルでぐるぐる巻きにし、運動靴のひもで縛っておく(大人の拳の1.5倍位の大きさに丸くふくらんでいる)。ベルを装着。
2 自転車関連装備
● 空気入れ:トピークミニモーフ:トップチューブに装着。なお、フロアポンプ持参の必要性については、別に述べたい。
● サイクルコンピューター(ポラールCS220Cad)及び心拍計ベルト
● 前照灯:キャットアイHL-510×2 箕浦スペースグリップ(前照灯をハンドルバーに装着するため)
● 尾灯:フレーム装着用とヘルメット装着用
● パンク修理関係:換えチューブ×2、タイヤレバー、パンク修理キット(糊のついたパッチ)
● 携帯工具:トピークヘキサス16
● サドルバッグ:トピークエアロウエッジバック(ストラップオン)Lサイズ
● ボトル×2
● ブレーキシュー×2セット
● 空気圧計(パナレーサーのもので空気圧調整ができるもの。仏式バルブ対応)
● 電池:単三20本、CR2032 6個
3 自転車走行時衣類等
● ヘルメット(OGKモストロ)
● ビンディングシューズ(ナイキX-change)
● 半袖ジャージ×3(ナイキ、チームgoissジャージ)
● 長袖ジャージ×2(パールイズミ)
● レーパン×3(パールイズミ)
● アームウォーマー×2(ナイキ)
● レッグウォーマー×2(ナイキ、シマノ)
● メッシュ肌着×3(ユニクロ)
● 自転車用ソックス×3(アディダス)
● レインジャケット(パールイズミ)
● グローブ(ナイキ):指切り×2 指あり×1
● 反射ベルト
☆ 尻クリーム(ニベア、アソスシャーミークリーム、ディクトンの類)
☆ レスキューシート
4 その他自転車工具関係
● ペダルレンチ
● 潤滑油(チェーンオイル、メンテルーブの類)、グリース
● 自転車メンテのための布
5 書類・貴重品関係
● パスポート
● 参加書類(ACPから送付された、フレーム番号の入ったもの)
● AJから送付された海外保険証書の写し
● キューシート:ACP作成のものの他、川瀬氏作成のもの
● ABCの荷物引換証
● 現金(念のため、日本円にして10万円相当)、クレジットカード
6 フランス滞在中の普段着:シャツ4枚、スラックス2本、下着靴下適宜
7 その他
● シュラフカバー
● ドロップバッグ用のでかい袋
● デジカメ(オリンパスFE-230)
● 携帯電話
● ジップロック:小さめのもの2種類、それぞれ10枚程度
● 補食:パワーバー15個 アミノバイタル
● 粉末スポーツドリンク:エネルゲン(10リットル用粉末) 2袋 →2袋も要らなかった。電解質補給のためにねり梅を持参すればスポーツドリンクは不要か?
☆ ねり梅チューブ →クエン酸と電解質(塩分)の補給になる。一度にとりすぎるとのどが渇くので注意。
以上の持参品のうち、1 自転車、2 自転車関連装備(ただし、サイクルコンピューター及び空気圧計を除く。)、3 自転車走行時衣類等(ただし、ヘルメットを除く。)、4及び7のうちシュラフカバーは、輪行袋(オーストリッチのトラベルバッグ)に詰める。これだけのものの重量を空港で測ったところ、15kg前後であったので、20kgの重量制限をクリアすることができた。
その上で、輪行袋については、8月12日(日)午前10時半ころに
ABC空港宅配サービスに依頼し、成田空港第1ターミナルまで運んでもらうように手配する。往復で3600円少々なのでそれほど高くない。その日の午後7時〜9時の間に荷物を引き取りにくるように頼んだところ、午後7時半ころ荷物を引き取りにきてくれた。自転車を空港まで自ら運ぶのは大変なので、ABC空港宅配サービスその他の空港宅配サービスを利用するのは検討に値すると思う。
他の荷物については旅行用のピギーバッグに入れて持ち込み荷物とする。ヘルメットについては、手荒に取り扱われて割れるのがいやなので持ち込み荷物の中に入れることにする。
これだけの荷物のパッキングや輪行支度をするのは、半日程度をみておいたほうがいいと思う。
(つづく)
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