【平久保崎灯台〜吹通川マングローブ】
さて平久保崎灯台を出て自転車走行を再開する。上ってきた急坂を下り、比較的細めの道を少し走って突き当りのT字路を右折し、先ほど上ってきた長めの坂を今度はドヒャーと下る。石垣ライド参加の人たちが続々と上ってきている。途中ワタシの奥さんにも遭遇して声をかける。奥さんこっちに気が付いているようであるが、上り坂+向かい風で難儀しているもようでコチラに声をかける余裕がなさそう。
下り坂をドヒャーと下って平野集落を抜け、再び緑の山が迫る海沿いのアップダウンを気分よく走行する。さすが石垣島だけあって10月でも暑いことは暑いのだが、灼熱という感じではなく、いい感じの暑さ。気候と風景という観点ではこの上ない環境の中走行できて実に楽しい。往路よりも復路の方が心持ち下り基調という感じはする。
船越漁港を過ぎて少々走行した後ト字路を右折し、若干の上りに入る。上りといっても峠道みたいに何キロも延々と上りが続くというのではないが、石垣ロングライドでは比較的長いのぼりの部類に入る坂である。その坂を上って下ると、人里らしい感じのところを通り過ぎる。アップダウンは引き続くが、それほど激甚という感じでもないので、適宜上り下りする。途中ワタシが参加しているツアーの参加者が自転車を押して上り坂を上っているのを見かけるので声をかける。
この区間はエイドステーションとの間が20キロを超えるため、このロングライドでは比較的長い区間ではあるが、ブルべみたいな殺伐としたロングライドに比べれば大したことはない。海と山を目の当たりにして楽しく走行しているうちに、次のエイドステーションの吹通川マングローブに到着する。ここは何かの施設というわけではなくて、単に吹通川の河口のマングローブ林を臨める駐車場である。ここでは黒糖の飲み物がふるまわれていた。
20キロ少々であれば、取り立てて大休止するというほどのものでもないし、ここでは黒糖の飲み物くらいしかふるまわれていなかったので、黒糖の飲み物を飲んで河口のマングローブ林を見まわし、すぐに走行を再開する。
【吹通川マングローブ〜米子焼工房シーサー農園】
吹通川マングローブから次のエイドステーションまでは大体10キロくらい。だったら別に吹通川マングローブはスキップしてもよかったかな〜とは思ったが、まぁ主催者が一応エイドステーションとして用意してくれたからちょこっとだけ寄った感じ。引き続き海と山を目の当たりにして気分のいい走行。で、次のエイドステーションまではあっという間。気分よく走っていたら、「あれっ?もうエイド」という感じ。
このように、石垣ライドは、エイドとエイドの間隔がそれほどでもないため、ロングライド初心者でもそれほど負担なく走行できる。もちろんアップダウンはあるけれども、エイド間隔が短いので、休み休み行ける感じ。
この米子焼工房シーサー農園は、シーサーを焼いて売っている窯のようである。奥の方の庭には大きいシーサーがいくつもおいてあってなかなか面白い風景である。例年このイベントではグアバフラッペがふるまわれるが、今年はここのエイドステーションでふるまわれる。このグアバフラッペは結構おいしいので毎回楽しみである。
もうここまでで100キロ。残りもう20キロちょっとしか残っていない。山と海で風光明媚な中を1年に一度走行する石垣ライド。あと20キロ走ったらこの楽しいライドまでまた1年待たなければならないかと思うと少々さびしいものがある。
【米子焼工房シーサー農園〜石垣の塩】
グアバフラッペをいただいて米子焼工房シーサー農園を後にする。米原海岸を右に見て走行すると、山原のカフェ街を通過する。往路ではここはなかなかの上り坂であったが、こんどはなかなかの下り坂。カフェ街を下りにまかせて気分よく疾走する。
カフェ街を抜けると川平湾付近。川平湾は石垣島でも指折りの景勝地。石垣ライドのツアーのたびに何度も行ってその景観にいつも感動する。川平湾をはるか遠く右手に臨んで自転車走行する。
往路では御神崎灯台の方までまわってなかなかのアップダウンの道のりを走行したのだが、復路ではそちらの方は回らず数キロショートカットしている。このショートカットの道を通ってしまうと、もうアップダウンはほとんどなく、海岸沿いのド平坦な道のりをひたすら走行する。海沿いの道のりを海風に吹かれてひたすら走るのはとても爽快感があって楽しい。おおよそ8キロくらいド平坦な道のりを走行すると、最後のエイドステーションの石垣の塩。
この石垣の塩では、実際に塩を製造して売っている。ここでは塩の製造工程も見学させてくれる。石垣ライドのツアーでは2回くらいここを見学させていただいたことがある。
ここではパイナップルなどの果物が提供されている。ゴールまで残りあと数キロ程度なので、たいして休憩の必要もないのだが、パイナップルなどの果物がやたらとおいしいのでいただいていく。
【石垣の塩〜ゴール】
石垣の塩のエイドステーションで果物をいただいたあとここを後にしてゴールに向かう。もうゴールまであと5キロ6キロのところなので、歩いてでもゴールできるような感じではある。楽しかった石垣ライドももうあと5キロ少々で終わってしまうのかと思うと少々残念である。
まずはフサキビーチ横の上り坂をホイッと上る。ここが石垣ライド最後の上り。そこをドヒャーと下り、あとは平坦な道を爆走するだけ。なんか爆走スイッチが入っちゃって止まらない。前の方を走行している方々を次々とブッちぎって快走する。
そうこうしているうちにゴール地点の舟蔵公園の隣にそびえるホテルロイヤルマリンパレスが見えてくる。なんかそうした光景を目の当たりにすると、どういうわけかサザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」のイントロ部分「ラララ〜ララララララ〜 ラララ〜ララララララ〜 ラララ〜ララララララ〜」が胸中をよぎる。ワタシの場合、どういうわけかゴール地点にある海辺のホテルが遠くに見えると勝手にシンドバッドのイントロ部分が勝手に胸中をよぎるらしい。神奈川600キロブルべの時もそうだった。
そんなわけで、ホテルロイヤルマリンパレスが視界に入ってペースが上がり、いつの間にかワタシが宿泊している石垣リゾートグランヴィリオホテルも通り越し、ゴールの舟蔵公園に到着してしまった。
いつもはゴール地点にはグレートアースのゲートが立っているのだが、今年は風が強くてたてられないのかグレートアースのゲートは立っていなかった。しかし相変わらず元気なMCの片岡さんの「お帰り〜〜〜!!」の声に迎えられてゴール!!
公園の芝生に自転車を置くと、地元の小学生が弁当を差し出してくれた。おにぎり二つとその他おかずが入った弁当。船越漁港で八重山そばを食べていてそれほどおなかは空いていなかったが、おいしそうだったのでついうっかり食べてしまった。
受付でアンケートを書いて完走証をもらう。今年は地元の小学生の手書きと思しき完走証。「完走おめでとうございます。また石垣に来てください」という手書きのメッセージが微笑ましい。
昨年は雨だったが、今年は好天に恵まれ、風は強かったが風光明媚な中石垣島南北往復125キロを思いっきり楽しんだ。また来年も楽しく石垣ライドを走りたい。
(完)
